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最初の選挙は「最初はグー、斎藤ケーン」

――そんなさいとう犬の願いの一つは「自民党圧勝ムードの補欠選挙に落選し、収入を失ったまま過ごした3年4ヶ月の浪人時代」を「忘れてはいけないワン」ということだそうですよ。

斎藤 あの頃は本当に……。落選すると定職がなくなります。収入もままならない。毎朝6時から辻演説をして復活の機を探っていたから、とてもじゃないけど定職につく余裕もありませんでした。生活費のために人の好意に少しずつ甘えて大学で臨時講師のようなことをしたり、団体の顧問をさせていただいたり。政治資金だって、毎月1万円を寄付してくださる支援者を探しながら……。

 

――この補欠選挙に応援に来たのが武部勤幹事長でしたね。「最初はグー、斎藤ケーン」という、忘れがたいキャッチフレーズを連呼されて。

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斎藤 覚えてます(笑)。

――あれについてはどう思っていたんですか?

斎藤 いや、最初の選挙だったし、そういうものなのかなと。「それおかしいじゃないですか」って言う勇気もないから(笑)。

「同期の小泉進次郎」には3期9年の総理総裁になってほしい

――初当選が2009年で、同期に小泉進次郎議員がいます。81年生まれで世代は離れていますが、どんな同期として見ていますか?

斎藤 逸材ですよね。日本の改革って、どうしても長期政権でなければ実行できないと思いますが、彼はその長期政権を担える総理候補ですよ。順調に成長していってほしい。

――ずいぶん褒めますね。

斎藤 高評価だよ。ただ、あえて厳しいことを言うなら、自分が政権をとって3期9年やるっていう意識と発想があるといいなって思います。政策の中身、誰とやるか、万全の準備をして日本再生を実現してほしい。

 

――安倍政権は先の総裁選を経て、まさに3期9年の段階に入りました。長期政権の問題点もこれからさらに出てくるのではないでしょうか。

斎藤 私はプラス面のほうが大きいと思います。支持率の高さを活かして、多少のマイナスには目をつぶって、すべき改革を実現していくべきだと私は思います。

――安倍長期政権に物言うべき時がくるかもしれません。

斎藤 言うべきことがあればいつでも言います。

さいの字について気を遣うさいとう犬

さいとう犬の「将来の夢」

――さいとう犬は石破さんのことを「石破ワン」って呼んでますが、例の総裁選「辞表騒動」のときに、ご主人様に何か声をかけてくれたんですか?

斎藤 ないない。なかったね(笑)。

――さいとう犬の「将来の夢」、知ってますか?

斎藤 犬の夢? わかんない、なんて言ってるの?

――「ファーストドッグ」だそうです。

斎藤 ハハハ。面白いね。でも、ファーストドッグになるまで、あと100年はかかると思う(笑)。

 

さいとう・けん/1959年生まれ。東京大学経済学部を卒業し、通商産業省(現・経済産業省)に入省。91年にはハーバード大学大学院で修士号を取得。通産大臣秘書官や埼玉県副知事(出向)を経て、政界に転身。第3次安倍3次改造内閣、第4次安倍内閣で農林水産大臣。ツイッターはhttps://twitter.com/saitou_ken