自閉症、ダウン症、低身長症、LGBT……さまざまな“違い”を抱えた子どもたち。6組の親子の姿を見つめた米国のドキュメンタリー映画『いろとりどりの親子』が公開される。自身も3人の子の母であるレイチェル・ドレッツィン監督は語る。
「科学や技術の革新によって命の選別、抹消すら出来る時代になりました。多様性の素晴らしさを謳いながら、現実は排他的な社会に向かっている。だからこそ、今、この映画が必要だと思いました」
原作は24カ国で翻訳されたベストセラー。ドレッツィン監督は独自に取材を開始、カメラを取り出す前からそれぞれの家族のもとへ足繁く通って信頼を得た。
日本では「生産性」の議論も記憶に新しいが、映画は障害が欠陥ではなく、個性として成立しうることを証明する。夜の帳(とばり)に包まれた低身長の夫婦のダンスシーンは見たことのない美しさだ。
「自分と異なるもの、知らないものを恐れるのは人間の本能的な感情です。しかし、それと同時に、私たちはお互いを愛する力も根源的に持っています。そのために必要なのは、相手を知り、理解すること。この映画は1つの『叫び』なんです」
INFORMATION
映画『いろとりどりの親子』
11月17日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開
http://longride.jp/irotoridori/