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 海外の人にとって、『テラスハウス』は「日本文化の入り口」としても機能している。日本育ちのメンバーが多い為、番組中では節分等の季節行事が行われる上、日本食の登場も多い。それらを見た外国の視聴者が恵方巻きや流しそうめんとは一体どのようなものなのか調べ、SNSやネット掲示板で日本カルチャーの情報を共有していくファン文化が形成されているのだ。インターネット時代特有の文化の広がり方と言えるだろう。

「テラスハウス」のメンバーが恵方巻きを作る場面

実は国際展開に貢献している「パネル解説」

 こうした国際展開においてはずせない要素が、YOUや山里亮太、徳井義実らによる「パネル解説」だ。「ただ観察すること」を掲げる構成の都合上、番組の主役であるテラスハウスのメンバーたちはその時々の想いを説明したりしない。そこで盛り上げ役やある種の説明役を担うのが、別スタジオでメンバーたちの生活模様の感想を語り合う敏腕ホストたちなのである。

「パネル解説」を盛り上げるYOU氏 ©文藝春秋

 たとえば、クリスマス・デートの約束をしたメンバーに関する議論では、山里が「交際ほぼ確定の印」だと語り、YOUが「そうとも限らないが好意を意味する」と返してみせる。このやりとりによって、海外の人々は「日本ではクリスマスが特別な恋愛イベントとされていること」を察知できるのだ。

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「パネル解説」に出演するホストたち自身が「世界に向けた日本文化の紹介役」としても意識的であることが透けるシーンもある。たとえば『Opening New Doors』において、ある男性メンバーがピースサイン状にした指を目にあてながら涙を流す回。YOUたちは「変な泣き方」だと笑い「外国の人に“日本人はこう泣く”と思われたら大変だ!」と騒いでみせる。面白おかしく茶化しながら、日本文化に馴染みの無い人々の勘違いを防いでいるのである。

 世界的人気を博しながら日本文化を丁寧に広める機能も持つ『テラスハウス』は、非常にバランスの取れた「国際コンテンツ」と言えるだろう。