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大野さんと初めて会って感動した話

 大野さんとお会いしたことが一度だけあります。

 今から5年ほど前、BOYS AND MENのリーダーの水野(勝)と一緒に食事をしていたら、同じ店で大野さんが奥様とまだ赤ちゃんだったお子さんと一緒に食事されていました。

 当時、僕たちは「ドラMAX!!! ~オレらの憧れ竜戦士~」という東海テレビのプロ野球中継のテーマソングを初めて歌わせていただいた頃で、仕事で球場に行くこともありませんでしたし、選手のみなさんも僕たちのことはまだまったく知らなかったと思います。

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©カルロス矢吹

 仲の良かったお店のマスターから「今、大野さんがいるよ。これからお世話になることも多いだろうから、挨拶に行ったほうがいい」と言われて、水野と一緒に緊張しながら大野さんがいる席に向かいました。

 座敷に入る大野さんが見えると、ちょっと離れた場所から直立不動で「今度、ドラゴンズの応援歌を歌わせていただくBOYS AND MENの水野です!」「辻本です!」「よろしくお願いします!」とご挨拶しました。

 そのとき、大野さんは持っていた箸をカチャッと置いて、座っていた場所で立ち上がり、ビシッとお辞儀しながら、

「大野雄大です。よろしくお願いします」

 と言ってくれたんです。

「口から生まれたサウスポー」というあだ名があるぐらい、陽気でお調子者というイメージが強かったのですが、いい意味でのギャップに本当に驚きました。

 僕たちもいろいろな方とご挨拶をする機会が多いのですが、誰かわからない相手の挨拶って、距離をとりつつ「あ、お願いします」と会釈ぐらいで済ませてしまいがちなんです。でも、大野さんはご家族との大切な食事の時間に、誰だかわからない年下の若者がやってきたのに、嫌な顔一つせず、なんなら僕たちよりも深々とお辞儀をして挨拶してくれた。後にも先にも、あんなに深いお辞儀を誰かにされたことはありません。水野と席に戻りながら「これは絶対に応援しないかんな!」と言い合ったのを覚えています。

 まっすぐの威力がすごい大野さんは、人間性もまっすぐなんですね。本当に感動しました。

 大野さんが中心にいるからドラゴンズの投手陣はいつも仲が良さそうですし、大野さんのムードが投手陣全体にダイレクトに伝わるのでしょう。大野さんの調子が上がり、ローテが再編されて6連戦の最初を任されるようになった今、ドラゴンズの反撃態勢が整ったと言えると思います。

 あと、大野さんにはずっとドラゴンズにいてほしい! 直接会う機会があったら「ドラゴンズに残ってください!」と深々とお辞儀してお願いするつもりです。

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