パ・リーグ首位で交流戦に突入した千葉ロッテマリーンズ。しかしその戦力を見ると荻野貴司、髙部瑛斗、藤原恭大、石川歩など主力選手に怪我人が続出。「どうしてこの戦力で勝ててるの?」と不思議に思っている方も多いだろう。

 そんな苦しいチーム状況で目につくのが、二軍から昇格したての選手による活躍だ。

 吉井監督は二軍から上がってくる選手は状態のいい選手だと考えている。だから上がってきた選手は即スタメンで起用する。そして起用された選手たちはことごとく活躍するから面白い。

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 4月に昇格して即決勝ホームランを放った平沢大河。昇格後は連続無失点を継続している西村天裕。5月に昇格して即2安打を放ち、その後も複数安打を放つ試合が目立つ池田来翔など、チームスローガンの通り“今日をチャンスに変えた”選手たちがチームを牽引している。

 本当に吉井監督の手腕は凄いなと感心してしまうが、そんな旬の選手たちを見極めて一軍に送り届ける側のスタッフのことも忘れてはならない。引退試合でのスピーチで「千葉ロッテマリーンズを日本一の球団にすることが夢」だと語ったサブロー二軍監督こそが、若手の躍進の立役者なのではないだろうか。

現役時代のサブロー(中央)と井口資仁

多くの人を惹きつけるサブロー二軍監督の人柄

 サブローは2016年に現役引退後、2023年から7年ぶりに千葉ロッテマリーンズのユニフォームに袖を通し、二軍監督に就任した。

 思えばサブローは二軍監督が天職なのかもしれない。現役時代からチーム愛にあふれ、外国人選手には率先してコミュニケーションを取り、面倒見のいいサブローを慕う選手が多かった。

 2011年途中には読売ジャイアンツにトレードで移籍してしまったが、すぐにFAで千葉ロッテマリーンズに復帰。結果的にジャイアンツには半年しか在籍していなかったのに、引退試合にはシーズン中にも関わらずジャイアンツの選手たちが何人もZOZOマリンスタジアムまで最後の勇姿を見届けに訪れた。

 周囲のことをよく気にかけ、気を配り、多くの人から慕われる。そんなサブローが二軍監督ならチームがいい循環を生むのは間違いない。

 今季のマリーンズが躍進している要因のひとつとして、間違いなくサブロー二軍監督の存在があげられるだろう。