「僕はこのチームのスーパースターになりたいです」
――今までの野球人生で大切にしている言葉などはありますか
「ありますね。『変わってくこと、変わらずにいること』という言葉で、槇原敬之さんの『遠く遠く』という曲の中にある歌詞です。成長していくためには変わっていかなければいけないけど、初心とか地元で応援してくれている人や親とかを大切にすることとか変わってはいけないところもあると思わせてくれたので、高校の時からずっと好きなフレーズですね」
昨シーズンの途中に横浜DeNAから移籍し、環境の変化も相当あっただろう。チームメイトが変わり、住む場所も変わったが、ずっと楽天イーグルスにいたのかと思うくらいにチームに溶け込んでいるように見えるのは、自分の大切にしている軸がきっとブレていないのだ。
本人も「チーム自体、選手間がコミュニケーションを取っていて30歳を越えた先輩もいっぱい僕に話しかけてくれるんです」と謙遜気味に話していたが、人と人の繋がりや、感謝の気持ちを忘れずに新チームで馴染んでいるのだろう。
――今後の「夢」はありますか
「数字とかそういうのではなくて、このチームの主軸というか顔になって何年も居続けたいです。僕はこのチームのスーパースターになりたいです。悪く言えば明確ではないのですが、明確でないからこそずっとその夢に向かって走り続けられる気がしています」
冗談抜きで鳥肌が立った。伊藤裕季也選手が真剣な眼差しで語ってくれた夢。その言葉の中にはこのチームでやってやるという覚悟も感じられたのだが、楽天イーグルスの顔になって何年も活躍し続けたいという思いこそ、自身が描く野球人生の夢だと断言したのが何よりも嬉しかった。槇原敬之氏の「遠く遠く」の最後の歌詞は「僕の夢をかなえる場所はこの街と決めたから」とある。まさに伊藤裕季也選手の夢を仙台で叶えてほしい。5年後10年後、盟友・小郷選手とクリーンアップを打ってチームの顔になっていてほしい。
そして今シーズンは伊藤裕季也選手のホームランではじまり、伊藤裕季也選手のホームランで締めくくって、ポストシーズンに連れて行ってほしい。
近未来のスーパースターに乾杯!
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