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〈あらすじ〉
アンナ(サーガ・ガルザルスドッティル)は売れない芸術家。しっかり者の長女イダ、わんぱくでいたずら好きの双子の兄弟グリムールとソルギス、そして愛犬パンダと、アイスランドの田舎町で地道な創作活動を続けながら暮らしている。
彼らの家を何かにつけて訪ねてくるのは、元夫のマグヌス(スベリル・グドナソン)だ。すでに別れて夫婦ではないはずなのに、ともに食事をしたり、子どもたちと遊んだり、さらにはピクニックにまで同行したり。絶妙な距離感で家族の日常は続いていた。アンナ自身、よりを戻したがるマグヌスを拒絶しながらも、時に仕事の愚痴を言ったり、漁師である彼の稼ぎをあてにすることも。それゆえにマグヌスは自身の状況がよく理解できずにいた。
やがて季節はめぐる。アンナが取り組んでいる新しい作品は完成に近づき、子どもたちは少し成長し、マグヌスの苛立ちは募り――。
〈見どころ〉
アイスランドの四季、自然に寄りそった暮らしぶり。時にシュールでユーモラスな家族の描写。
どこかアンバランスな、ある家族の物語
19世紀のアイスランドを舞台に、若き牧師の壮大な旅を描いた『ゴッドランド/GODLAND』(22)で高い評価を得た気鋭監督の最新作。今度は現代のアイスランドを舞台に、ある家族の日常風景を描く。第98回アカデミー賞アイスランド代表選出作品。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★★☆出来事やドラマに頼らぬ「炙り出し」の技に腰が入っている。広い空や清冽な水や陽光に映える草木が観客の眼に沁み、いったん崩壊した家族と静かに変化する風景が重ね焼きされる。案山子の騎士や名犬の点描も生きている。
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斎藤綾子(作家)
★★★★☆あまりにも違う妻と夫の仕事への価値観。離婚した両親を眺める子供たちの視線から伝わる想い。それらを理屈ではなく現実と幻想で綴っている「きれっぱしの愛」。全てがネガティブなようで、切なく面白くじんわり温かい。
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森直人(映画評論家)
★★★★☆独特の文体を持った監督だ。アイスランドの光が刻む日常に、ふと紛れ込むシュールな断片。アートと暮らしが地続きで響き合い、ユーモアと痛みが同じ呼吸で立ち上がる。現実と幻想の境界が静かにほどける瞬間が忘れ難い。
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洞口依子(女優)
★★★☆☆アイスランドの自然を背景に疲れた夫婦の愛の風化、家族に流れる時間についての直感と想像力に委ねられた描写が心地良い。冒頭の屋根を引き裂く場面など、家族の継続的な混乱をシュールに表現する印象的なショットが多い。
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ゲスト評者
竹田ダニエル(ジャーナリスト・研究者)★★★★☆まるでホームビデオを見ているかのような感覚になる一方で、緻密なメタファーや幻想的な世界が同時に展開される。独特な質感と映像美は映画館で見る価値あり。予測不可能な構成で2度見たくなる。
たけだだにえる/1997年生まれ、アメリカ出身・在住。「カルチャー×アイデンティティ×社会」をテーマに執筆、研究。2023年「Forbes JAPAN 30 UNDER 30」を受賞。著書に『世界と私のAtoZ』、『アメリカの未解決問題』(共著)など。
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- おすすめできます♪★★★★☆
- 見て損はない。★★★☆☆
- 私にはハマりませんでした。★★☆☆☆
- うーん……。★☆☆☆☆
©STILL VIVID, SNOWGLOBE, HOBAB, MANEKI FILMS, FILM I VÄST, ARTE FRANCE CINEMA 配給:NOROSHI、ギャガ
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『きれっぱしの愛』
7月3日(金)~
監督・脚本:フリーヌル・パルマソン
2025年/アイスランド・デンマーク・スウェーデン・仏/原題:Ástin sem eftir er(英題:The Love That Remains)/109分
https://gaga.ne.jp/kireppashi_ai_NOROSHI/





