(じみーさくらい ミュージシャン。本名、桜井昭夫。1963年新潟県生まれ。94年にリバイバル・バンド「MR. JIMMY」を結成。2014年に「LED ZEPAGAIN」に加入。17年に米国でMR. JIMMYを再結成、「JBLZE」にも参加。18年に自叙伝『世界で一番ジミー・ペイジになろうとした男』を上梓。)
親父、おふくろ、僕、5つ下の弟の4人家族です。親父は宮城生まれの山梨育ちで、家業を継いで着物にあしらう絵柄の型紙を作る職人をしてました。東京で修業をして、織物「友禅」の産地である新潟の十日町市に移り住み、おふくろと出会ったんですね。
「レッド・ツェッペリン」のステージを再現するリバイバル・バンド「MR.JIMMY LED ZEPPELIN REVIVAL」を率いる、ジミー桜井こと桜井昭夫さん。昨年にはその芸術性探求の姿勢を追ったドキュメンタリー映画『Mr.Jimmy』が全米はじめ世界各地で公開されるなど、レッド・ツェッペリンのギタリストでリーダーである“ジミー・ペイジの探究者”として世界中からリスペクトを集めている。1963年10月4日、新潟県十日町市で生まれた。
記憶にある最初の家は、十日町駅前の通りから入った路地の2階建ての借家。十日町は降雪量世界一だったこともあって、ひと冬に6、7メートルも積もるのがザラ。家の真横に高く積もった雪の上で、幼い僕がスキーをやってる8ミリフィルムを見たことがあります。3歳まで駅通り近くに住んで、飯山線の線路沿いのアパートに移るんです。2階建てのメゾネット型で、1階に水回りと部屋が1つ、2階が2部屋で片方が親父の作業場でした。
雪国の部屋でギターを弾く日々。『レッド・ツェッペリンⅣ』の衝撃
型友禅では、絹糸で織った反物に模様が切り抜かれた型紙を置き、その上から染料を使って染め上げる。親父は、絵師の描いた図案から小刀で柄の台紙になる型紙を切り出すんです。非常に緻密な作業で、仕事ぶりをジーッと見てました。東京時代にバンドをやってたらしく、ボンゴの前に立つ写真が残ってるんですよ。作業場でも音楽を流しながら仕事してましたね。
70年、市立新座小学校(現・東小学校)に入学。プラモデル作りと映画に夢中な少年だった。
入学前年の冬に引っ越すんです。場所はまた線路沿いだけど、親父が80坪に建てた戸建て。1階に八畳、六畳、水回り。2階に僕の部屋だった四畳半、六畳、そして親父の部屋で、後に仕事場になりました。冬は2階まで雪が積もるので、自分の部屋の窓から出入りすることもありましたね。“のび太の家”って感じの木造2階建てだけど、内装が小洒落れてました。玄関ホールにシャンデリアが吊り下げられ、廊下と階段には赤い絨毯が敷いてあった。親父の部屋はとくに凝っていて、ラメの入った繊維壁で、なんだかキラキラしていて。三面ガラスの窓が大きく、灯りはチューリップ型のガラスシェードが付いた間接照明。テレビが置いてあって、親父に部屋に呼ばれて洋画劇場をよく見ましたね。親父は趣味人で、オープンリールデッキやビデオデッキも持ってました。
初回登録は初月300円で
この続きが読めます。
有料会員になると、
全ての記事が読み放題
コメント機能も使えます
キャンペーン終了まで
-
月額プラン
1カ月更新
2,200円/月
初回登録は初月300円
-
年額プラン
22,000円一括払い・1年更新
1,833円/月
-
3年プラン
59,400円一括払い、3年更新
1,650円/月
オススメ!期間限定
既に有料会員の方はログインして続きを読む
※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。
有料会員になると…
世の中を揺るがすスクープが雑誌発売日の1日前に読める!
- スクープ記事をいち早く読める
- 電子版オリジナル記事が読める
- 解説番組が視聴できる
- 会員限定ニュースレターが読める
source : 週刊文春 2024年4月18日号