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竹中氏「日本において、移民の受け入れは『必然』と考えるべき」

竹中平蔵 東洋大学教授
「日本において、移民の受け入れは『必然』と考えるべき」

『東洋経済』2月3日号

 かねてから外国人労働者の受け入れに対して積極的に発言していたのは、政府の日本経済再生本部産業競争力会議(民間)議員、内閣府国家戦略特別区域諮問会議(有識者)議員、政府の未来投資会議メンバーなどを務め、同時にパソナグループ取締役会長、オリックス社外取締役などを務める竹中平蔵氏である。雑誌『東洋経済』でのインタビューでは「社会や経済を支える労働資源を確保する手段として、海外からの移民の受け入れが必要だ」と強調していた。

竹中平蔵氏 ©文藝春秋

 2013年に行われた田原総一朗氏との対談では「移民を受け入れればいいんですよ。それで、普通はアメリカでもオーストラリアでも成長戦略を議論する場合には、必ず最初に移民の問題を議論するんです」と語っていた(現代ビジネス 2013年7月16日)。

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 今年3月9日、竹中氏が有識者議員として参加している国家戦略特別区域諮問会議が、国家戦略特区の指定を受けている新潟市、京都府、愛知県の3カ所で外国人の就農を解禁することを決めた。これで人材派遣会社が外国人労働者を農業生産法人に提供することが可能になる。法務省、厚労省、農水省などは難色を示していたが、竹中氏らが「度重なる議論にもかかわらず、法務省の担当者などの対応が遅く、進捗が芳しくない」と文書で圧力をかけたという経緯がある(東洋経済オンライン 2017年6月20日)。

 また、2015年9月9日の同会議では、外国人家事支援人材の受け入れの実施が報告されている。神奈川県で実施された外国人家事支援人材の受け入れ事業を請け負った企業のうちのひとつが、竹中氏が会長を務めるパソナグループである。その後、パソナグループはフィリピン人による家事代行サービスをスタートさせた。

山本太郎 自由党・参院議員
「官邸の下請け、経団連の下請け、竹中平蔵の下請け、この国に生きる人々を低賃金競争に巻き込むのか。世界中の低賃金競争に恥を知れ、
2度と保守と名乗るな、保身と名乗れ、保身だ」
日刊スポーツ 12月10日

 改正入管法が採決された8日、各議員の投票の際、牛歩戦術で対抗した自由党の山本太郎氏は、上記のように叫んだ。日刊スポーツの名物コラム「政界地獄耳」は「まっとうな保守政治家は野党にいた」と結んだ。