文春オンライン

連載クローズアップ

ディズニーに大抜擢されたアニメーターが、宮崎駿に言われた“忘れられない一言”

アミ・トンプソン――クローズアップ

note

初めてアニメを学んだのはジブリだった

 製作の指揮をとるのは『ズートピア』の脚本・監督コンビ。今まで決して共演が叶わなかったディズニープリンセスが大集結したり、「楽天」の看板が出現したりと随所に攻めの姿勢が感じられる。中でも、ダークな世界に生きる凄腕レーサー、シャンクは従来のディズニーアニメでは見たことのないヒロイン像だ。

「シャンクのようなカッコいい女性を描くのは大好きです。最初は忍者みたいに刀を持たせてみたり、プロレスラーのようなスタイルにしたり(笑)。試行錯誤して今のデザインに辿り着きました。ヴァネロぺもラルフも自分の子どものようで、完成した作品を観たときは号泣しました」

©2018 Disney. All Rights Reserved.

 アニメ界のハーバードの異名を持つカナダのシェリダン大学卒のアミさんが初めてアニメーションを学んだのは、あのスタジオジブリ。高校生の時、自分の作品集を送ったことがきっかけだった。

ADVERTISEMENT

「ジブリに初めて行った日、コーナーから突然、宮崎駿さんが現れて、ライトテーブルの使い方や紙の場所を教えてくれて、最後に『じゃあ楽しんでね』っておっしゃったんです。その言葉が今もずっと忘れられません。今回の映画も私はずっと楽しくて仕方がありませんでした。絵には自分の経験すべてが表れます。だから私は紙とペンを持って外に出て、たくさんのものを吸収したいと思っています」

Ami Thompson/大阪生まれ。カナダのシェリダン大学を卒業後、日本のStudio4℃へ。2015年、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオに入社。大学の卒業制作として作ったショートアニメに、「彼女は凄いアニメーターになる!」と世界中のネットユーザーから絶賛が寄せられていた。

INFORMATION

『シュガー・ラッシュ:オンライン』
12月21日(金)より全国公開
https://www.disney.co.jp/movie/sugarrush-ol.html

ディズニーに大抜擢されたアニメーターが、宮崎駿に言われた“忘れられない一言”

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

週刊文春をフォロー