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『LOVEマシーン』と佐藤雅彦CM

鈴木 日本の高層から低層まで、まんべんなく広がっていますよね。歌舞伎町でもみんなハズキルーペを使っているし、『USA』を踊っているんです。それで、夕刊フジを読むようなおじさんたちにも届いている。

鹿島 たまに映画を観に行くとしたら『ボヘミアン・ラプソディ』。

おぐら でも、ハズキルーペのCMや『USA』が流行ったからといって、安易に真似するのはすごく危険。この二つが成功したのは、ハズキルーペにしてもDA PUMPにしても、それまでダサいものとして見られていた長い歴史があって、その上でさらに最新作として「一生懸命やった結果がこれです」と世に放ったからこその破壊力があるわけで。いわゆる天然と言われている人たちの言動を、計算して表層だけ真似してもまったく質が違うものになってしまうのと同じです。

 

鈴木 『LOVEマシーン』が流行った時に、そういう楽曲がすごく増えましたよね。それから、佐藤雅彦CMがウケていた時代、日本のCM業界は10年間停滞したと言われるのと同じ現象が起こるかもしれないです。「バザールでござーる」とか「スコーンスコーン」ってやりだす。海外では、高度な映像テクニックが発展していったのに、しばらく日本はキッチュな絵コンテが動いているようなCMで止まってしまった時期があった。今の日本であのダサさを引き受けられるのは、DA PUMPだからですよね。

おぐら DA PUMPのヒットは、芸能界の情勢によるところも大きいとは思います。平成を体現したSMAPが2016年に解散して、平成最後の年にDA PUMPが『ミュージックステーション』に出演したというのは、大きな歴史の転換ですよ。ちなみに、DA PUMPは元メンバーの脱退理由やその後の活動なども含め、『情熱大陸』では手に余ると思うので、硬派なドキュメンタリーとして映画化するのがいいと思います。

鹿島 『ボヘミアン・ラプソディ』のようなファンタジー感は必要そうですね。

『変態紳士』が気になる

鈴木 私、年末になるにつれて、ますます注目しているのが高嶋政宏さんなんですけど(笑)。

おぐら 今年の後半から特に、いろんなメディアで取り上げられてますね。

鈴木 『変態紳士』は出版された直後に買いました。事務所の意向とは関係なく、高嶋さんの強い意志で本が出たみたいです。SM系の記述がすごく生々しいんですよ。なんでこんなの読まされてるんだろうと(笑)。だって彼は、何というか善人そうなお坊ちゃんタイプで、悪意のなさそうな人じゃないですか。すごくピュアな気持ちからの出版だったのか。

 

おぐら 高嶋政宏さんのコアな趣味や趣向については、音楽雑誌や吉田豪さんのインタビュー集『人間コク宝』でも語られていて、一部には知られていましたが、やはり自身による著書でスパークした感じ。

鈴木 そうなんですよ。個人的に、私は15年ぐらい前の、自分が吊るされてる画像とか映像を払拭しようと思って日々頑張っているのに、わざわざ出すようなおじさんって何なの? と思います(笑)。もともとは、役作りのためにSMバーに行ったら幻想的な世界観に魅せられたみたいですが。

鹿島 自分から持ち出してね。僕が、弟・高嶋政伸さんによる芸能一家のサラブレッドらしい振る舞いで注目したのは、『MOGITATE!バナナ大使』(TBS系)がきっかけでした。イニシャルトークのコーナーなのに、自分で実名を言い出したり(笑)。

 

おぐら 本物のセレブリティだからこそ、隠さないんですよね。世間の評判くらいでは揺るがない圧倒的な家柄と財力があるからこそ、世間体を気にする必要がない。

鹿島 確かに。高嶋さんの場合、別にそこまで好感度の高いキャラクターで売っていたわけではないし。ただ周りが困惑しているだけなのが面白いです。長嶋一茂さんもそうですが、セレブリティでピュアな人がウケていますよね?