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新人時代の“苦すぎる”ゴーヤ

―― 入社して最初のテレビの仕事はどういう番組でした?

久代 一番最初は、研修が終わってすぐで、すごく覚えてます。1社提供の5分のミニ番組で、いきなり沖縄に4日間出張で行って。畑で新鮮な果物、野菜を収穫して生のままかじるというのが醍醐味の番組。話を聞くとすごく楽しそうだなと思うんですけど、生で食べないようなものも生でかじるんですよ。フルーツだったら絶対美味しいと思うんですけど、すごく衝撃的だったのが、ゴーヤ。

「え? これも生でいきますか」と確認したら「そういう番組なので、ガシッといっちゃってください」と言われて。でも、農家の人は「いや、それは生で食べてもうまくないよ」と言うんですよ。「そういう食べ物じゃないから」って。でも「いってください」と言われて。すごく迷いながらも、やるしかないと思って生のままかじったんです。案の定、ひたすら苦いんですよ。一瞬いろいろな褒め言葉を考えたんですけど、何も浮かばなくて(笑)。ホントに新人の私の口から出たのが「ものすごく、苦い!」のひと言。

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―― 正直(笑)。

久代 農家の人も「当たり前だ」と。「苦い」と言っていいのか、いけないのかという新人なりの葛藤があって。でもそれを言わずにはいられないという自分の素というか、新人らしさが出てしまった仕事ではあったんですけど、すごく印象に残っています。

―― 入社した年に『めざにゅ~』でお天気お姉さんをやる夢が叶ったんですよね。

久代 そうなんです。長年見ていたお天気お姉さんを自分がやっているという喜びがありました。でも気象予報士の勉強を少しかじっていたというのもあって、どれだけ大変な分析のもと、この天気予報ができているかも分かっていたので、気象予報士さんが一生懸命作った原稿を、その資格を取れなかった私が最後に仕上げとして読む。丁寧に伝えなきゃなという、深い思い入れを持ってやっていました。