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連載この鉄道がすごい

2019/01/20

発車案内は「特急 09:03 会津若松」

 ある晴れた日、「なごみ」を使用するツアーに参加した。上野駅集合で会津若松まで「なごみ」。帰路はスイーツ列車「フルーティアふくしま」で郡山に戻り、東北新幹線で帰るというルートだ。上野駅は13番線ホームから発車。かつて寝台特急「北斗星」や「カシオペア」が出発したホーム。旅人に人気の場所。発車案内は「特急 09:03 会津若松」という表示で列車名は空欄だ。定期列車ではないから、時刻表には記載されていない。ここだけ見たら謎の列車だ。このヒミツな感じ。高級感を盛り上げる。

 車体は伝統の御料車にちなんだ漆色をモチーフに、光の具合で紫色に変わる特別塗装。これは偏光性塗料という現代の技術。扉から入ると暗く落ち着いたエントランス。足下のLEDが旅人を誘う。客室は明るい色調で、ベージュのシートは1人掛の大きなサイズで、1+2列にゆったりと配置されている。深く座って、電動リクライニングシートを深く倒す。シートの間隔が広いから、背後に遠慮は要らない。レッグレストも電動で持ち上がる。おっと、こんなに心地よいと眠ってしまいそうだ。もったいない。

暗く落ち着いたエントランス
1+2列のシート。ゆったり寛げる

動画チャンネルの1つに「運転席からの展望」がある

 窓はスクリーンが降ろされた状態だ。晴天だけど、都会の殺風景な景色を見るよりも、このほうが落ち着くかもしれない。肘掛けの蓋を開けるとタッチパネル式の8インチモニターがある。太いアームと画面部分の厚みが10年前の製品という雰囲気だ。映像はクリアで、動画チャンネルの1つに「運転席からの展望」がある。走行中の列車の前方と後方の景色を眺められる。これは車窓よりおもしろい。

モニターで「運転席からの展望」を眺められる

 液晶画面はニュース番組やJR東日本の列車を紹介する動画もある。タッチパネルで車内販売を注文できる機能もあるけれど、今回のツアーでは対応していなかった。E655系グッズが買えない。残念。ただしツアー全員にオリジナルポストカードとハンドタオルがプレゼントされた。これはツアーごとに対応が異なるらしい。