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〈経済関係にルーズな人物は決して他者に信用されない〉
ただ、こうした問題に皇室を巻き込んでよいものだろうか。「文藝春秋」2019年2月号「秋篠宮と眞子さま『冷戦』を超えて」で、ノンフィクション作家の保阪正康氏は「秋篠宮家の挫折」として、佳代さんとX氏の金銭問題について、このように状況を分析している。
「天皇家を歴史の流れで見つめる視点でいうなら、この問題は天皇家とか皇室の次元とは別に、きわめて低レベルの社会的生き方が含まれている。こうした『借金を返せ』『いや借金でない』といった問題は、当事者間のやり取りであり、これを皇室内部に持ち込まないでほしいというのは、誰しもが思うことである。(中略)『開かれた皇室』とはいえ、皇族には世間一般と同じ自由な恋愛が許されるわけではない。ご降嫁されても天皇のご親戚であり、その配偶者の職業や暮らしのことで皇室のイメージを悪くする事態があってはなるまい。
皇室の人たちは、一般社会の価値観と必ずしも一体化する必要がない、と私は思う。むしろ人間本来の良質の人倫を代表するのが、皇族の役目ではあるだろう。
だがこの一点だけは、皇族にも一般人にも指摘できるように思う。
〈経済関係にルーズな人物は決して他者に信用されない〉
これは社会常識である」
まさに正鵠を射た指摘だと言えるのではないだろうか。