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嵐・大野智38歳の「セカンドキャリア」と、高度なコミュ力が要求されるSNSでの“無為炎上”を考える

速水健朗×おぐらりゅうじ すべてのニュースは賞味期限切れである

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嵐の活動休止は、SMAP解散と単純比較すると炎上する

おぐら だけど2年前って、ちょうどSMAPの解散騒動があった時期ですよね。

速水 今回の問題は、SMAPと単純な比較をすると炎上するんだよ。誰もがまさかと思った矢野顕子が炎上っていう。

 

おぐら のちに〈嵐に関するツイートで意図せぬ伝わり方をしてしまったため、とても驚いてしまいました。どなたのことも傷つける意図は全くありませんでしたので申し訳なかったです。〉と謝罪してました。

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速水 発端になったのは〈嵐は偉い。2年間もちゃんと仕事をする約束をした。スマップの最期を間近で見ていたであろう、あれを踏襲せずに、自分たちに見える部分も見えない部分にも、できるだけ配慮をして。ファンになっちゃいそうだわ〉というツイート

おぐら 悪意はまったくないでしょうけど、それだけセンシティブな話題だってことですね。

速水 逆に、日テレの青木源太アナは「無責任という言葉が会見で出ましたが、それはさすがに違うかと」という嵐をかばうツイートをして、これはこれで炎上。

おぐら 青木さんは会見の場にもいて、泣きながら質問してました。

速水 男が泣くなとも言いにくい時代だけど、会見の場で私は味方ですアピールはないよな。それに5人は何でも答えるという姿勢で会見を続けていて、質問する側の忖度は望んでいなかったわけだし。

おぐら ただ、記者が「無責任ではないか?という指摘もあると思う」と発言したことで、櫻井くんの「我々からの誠意はおよそ2年近く期間をかけて、感謝を伝えていく期間を設定した。それが我々の誠意です」という回答を引き出しました。

速水 会見のハイライトは、そのセリフの直前の一瞬だよね。「無責任では?」と聞いた瞬間に櫻井くんが軽くキレかかった場面。昔のイキっていた時代を彷彿させた。そもそも嵐になにかしら問題があるとすれば、いい子ちゃんのイメージが付きすぎている部分なわけだから、ああいう部分が見られただけでいい質問だった。発言した記者の方の今後についてはやや心配だけど。

おぐら ここ何年かの謝罪会見や、最近の政治家と記者のやりとりを見ていても、この人マジで何も考えてないんだな……っていう絶望的な展開が多いなか、嵐の会見はしっかりと自分たちの考えがあって、そこに嘘はないっていうのが伝わりましたよね。

速水 嘘をつかない、誰も悪者にしないというコミュニケーションが完璧にできていた。これが危機管理的な発想で記者会見をやっちゃうと、こういうことは言わないっていうルールを守ることになるので、嵐のような自然なやりとりにはならない。台本があったわけではないだろうけど、見事に誰一人発言がかぶらなかった。