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なんとなく優しくなりすぎて、どんどん壊れていく世界

ドイツ「昆虫が可哀想だから保護法」、フランス「同性婚差別をなくすため親1親2と呼ぶ」

2019/02/21
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どこからともなくやってきた菜食主義者の皆さんが

 しかしながら、面倒は他所からやってきます。先日某所にそのような個人的な楽しい焼肉画像を掲載したところ、どこからともなくやってきた菜食主義者(ヴィーガン)の皆さんから「肉を喰うな、この下等動物め」「地獄に落ちろ」などの揶揄も含めたクソリプを頂戴し、それを読んだ当初は「うわ、ヴィーガンうぜえな」ぐらいの気持ちで接しておったわけです。なんで楽しく肉喰ってて第三者に罵られる要素があるというのだ。クソして寝ろ。そのように思うわけであります。

 それも、せっかく楽しい山本家の焼肉シーンに文句をつけてきた一人は、大学時代から仲の良かった後輩でありました。しばらく音信不通で共通の友人同士「あいつどうしたんだ?」と思っていたら、家族そろってヴィーガンになって帰ってきていました。なんなんだ。

 ムカつき半分で「お前が菜食主義なのは分かったけど、拙宅の焼肉にいちゃもんつけるこたあないだろ。押し付けだ」と申し上げたところ「肉食は地上から排除されなければならない。全員ただれろ」という素敵な問答が。こうなると、長年の知人であっても許容できる余地は畳半帖分も無くなります。「馬鹿」「お前こそ馬鹿」という定番の煽り合いの果てに敢え無くブロック合戦となりました。

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 それにしても、この元知人、ヴィーガン生活をFacebookでアップしていたのですが、まあ元気そうにしている割に奥さんはもちろん育ちざかりのように見える歳のお子さんたちもガリッガリに痩せて、そのままにこやかな笑顔で焼肉弁当をご自宅に届けたい気分になるぐらい、可哀想な体格をしておられました。親は痩せててもまあ「あいつ馬鹿だねえ」で済むだろうけど、子どもたちはちょっとなあ……。

無差別的にクソリプをぶん投げている

 私としては楽しく焼き肉してただけなのに、元知人を含めヴィーガンを名乗る人たちはなんでそんな文句を言うに至ったのだろうと興味を持ち、しげしげとそのクソリプ主たちの書き込みを追跡し遡っていってみて二度ビックリ。あらゆる肉食画像を掲載している人々や、焼き肉屋、精肉店、日本ハム、食品スーパーの肉の特売セールなどなど、目につく食肉文化に関わるところに無差別的にクソリプをぶん投げていることが判明するわけです。「牛に土下座しろ」とか「朽ち果てろ」などと罵詈雑言がこれでもかと列挙されています。ご苦労なことだ。これはいったい何の宗教なんだよ。

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 ただまあ、よく分かりませんが人間いったん何かに思い詰めると、目についたこと全部が悪に見え、クソでも漬物石でも投げ込みたくなる気分は分かります。そこへ正義感やら折れない心やら面倒くさい属性がつくと、一人十字軍になって敵発見からミサイル発射まで一目散で、行動ポイントボーナスがついて一気通貫続々とゴミを投げ続ける無敵の人になるのも長い人生一度はあるもんです。