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2)金銭的・時間的支出は当たり前、問題はどこまで許容するか

もう一つ重要なのは、娯楽にハマると時間もお金もかかるということである。

 例えばサッカー観戦にハマった場合、ひいきのJリーグチームの主催試合を全部観戦するためにシーズンチケットを購入すればそれだけで数万円である。すべての主催試合を見に行くためにかかる時間も手間も相当なものだろう。アウェイの試合に「遠征」となるとこの数倍のお金が消費されることになる。また、日本代表のファンとなり、各国で行われるW杯予選の応援ツアーに参加するまで入れ込んだ場合、費用は数十万円はくだらないし、仕事は休暇を取ることになるだろう。

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 これらと比べたときに、ゲームへの金銭的・時間的な支出は不健全なのだろうか。

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 ゲームの場合、高額課金が問題視されることが多い。ここで問題となるゲームは、ゲーム内で課金アイテムが販売されているタイプのゲーム、もっと言えば、課金ガチャ(特にキャラクターを引くガチャ)で稼ぐビジネスモデルのゲームである。

 スマートフォンで行われているゲームが典型例だが、「課金ガチャでキャラクターをそろえ、バトルに勝利する」という基本構造は、日本のほとんどのスマホゲームに共通している。そしてゲーム内で恒常的に行われているキャンペーンやイベントで新登場するキャラクターが欲しくなるため、ガチャを大量に回して高額課金に至る、という仕組みも共通している。

課金ガチャではないタイプのゲームには、消費額に天井がある

 逆に言えば、これ以外のタイプのゲームに関しては、課金がそれほど問題にならない。

「ポケモンGO」が典型的だが、ゲーム内で自分の分身(アバター)を着飾るアイテムや、プレイ時間中に利用できる消費アイテムを課金している限り、課金額はそれほど大きなものにならない。アバターは1体しかないので飾るには限度があるし、着飾るアイテムは使い切りではないので同一アイテムの複数回の購入はない。消費アイテムもプレイ時間で使える以上は不要であるため、自然と歯止めがかかる。消費額に天井がある。月に数十万という金額にはならない。

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 筆者の場合、妻ともどもポケモンGOのプレイヤーである。私がレベル31、妻がレベル39なので、それなりに遊んでいる方である。年間の課金額は夫婦合わせても3~4万円といったところである。この金額をどうとらえるかは個々人の判断となるが、「月に1回、友人と飲みに行く」趣味を持つ人の支出額よりも安いぐらいだろう。これで夫婦で散歩するきっかけや散歩中の楽しみが増えるなら、決して悪くない支出である。

 話を「スプラトゥーン2」に戻すが、「スプラトゥーン2」でお金を使う要素はもっと少ない。ゲームのパッケージ(5,980円+税)以外には、オンラインプレイを可能にするNintendo Switch Onlineの利用料として、月額300円を支払うだけである。課金ガチャ1回分程度の金額である。これは、スプラトゥーン2だけでなく、Switchの全ゲームのオンラインプレイのための費用で、いわばインフラ利用料である。ネットワーク対戦をしないなら払わなくても構わない。