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改正後に見られた変化の数々

 改正後、この附帯決議に基づく変化が確実に表れている。たとえば、今年の1月には、法務省が、警察も把握していない「暗数」を含めた犯罪被害調査を始めた。2月には、最高裁が、精神科医の講演録などをまとめた研修資料を全国の裁判所に配布したニュースがあった。

 研修の内容は、現段階では、発表されていない。しかし、著名な検事は、改正後の論文で、「被害時には、高度のストレスにより、ドーパミン・ノルアドレナリンなどが過剰に放出されることにより、脳の高次機能が停止し、より原始的な生存戦略として、擬死状態・迎合反応を示す」「検察官は、これらの脳科学的知見を精神科医など専門家の助力を得て立証し、裁判所・裁判員の『経験則』にしてもらわなければならない」と述べている。

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 また、改正後、この附帯決議を非常に尊重した判決がよく出ている。こうした判決が出ると、警察や、検察の動きはどう変わるのか。「このケースでこの判決が出るのならば」と、以前であれば起訴・捜査しなかったケースに対しても、起訴・捜査することが増えるだろうと考えられるのだ。

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今後、性犯罪裁判での判決はどう変わるのか

 今後は、強姦被害者の擬死状態などについて、脳科学的知見からの立証活動が進むことにより、従来よりは軽い「暴行脅迫」であっても「被害者の反抗を著しく困難にする程度」であることが認定されるケースが出てくると予想している。

 また、これまで暴行脅迫の程度と、被害者の抵抗の程度によって「故意の認定」が行われているのだから、暴行脅迫の内容が変化すれば、故意の認定に必要な事情も変動すると思われる。そして、これまで起訴・捜査されなかったようなケースの起訴・捜査が増える以上、性犯罪に関する判決では、今後数年は無罪判決が増えるであろう。