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金融系は「誰よりも早く出社」でポイントを稼ごう

 私がもう一度金融機関の門をくぐったらどんな社員を目指すだろう。少なくとも私が新入社員の頃とった行動と「真逆」の態度、行動をとれば、そこそこ成功するのではないだろうか。まず誰よりも早くに会社に出社しよう。残業は昔こそ評価されたが、今では残業ばかりすると上司がそのまた上司に怒られるらしいからやってはだめだ。だからといって朝、のんべんだらりと出社すると「やる気がない」と思われる。朝早く出社してもブラックとはいわれない、ポイントを稼ぐチャンスだ。誰よりも早く出社すれば「おっ、あいつなかなかいいじゃないか」と勝手に判断してくれる。早起きに知能指数も仕事上の能力もいらない。もっともポイントを稼ぐ手軽な方法だ。

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 いつもニコニコしよう。金融はお客様相手が多いからニコニコは鉄則だ。あとハキハキ返事しよう。上司の覚えは格段によくなる。金融系でまず肝心なのが人当たりの良さだ。さらに加えてお辞儀。銀行ではいやというほどお辞儀の研修を受けたが、こいつは銀行を離れたあとの人生でも意外と役立っている。日本はお辞儀の国。外国人からみても悪い気はしないものだ。

目指すは「かわいい優等生」

 金融系はとにかく「かわいい優等生」を演じることだ。アウトローは絶対にやめたほうが良い。アウトローは上司が一番嫌いだからだ。研修には積極的に参加して発言もしよう。これは高ポイント。だが、社内の会議では上司の先に発言してはいけない。多少くだらないことが議題になっても、さも感心したように頷いていなければならない。温和な表情で人の話を頷きながら聞く、これ大事。

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 勉強は必要だ。金融系は永遠に学校の勉強が続くと思ったほうがよい。金融知識はもちろん、外国語のひとつもマスターしなければならない。学校でのお勉強と競争が延々と続くのが金融系だ。文句はご法度。上司に結構バカ者は多いけれど絶対に逆らわない。日々の勉強とソツのない態度、温和な表情(表情だけでいい)。あとときたま上司が飲み会などの席上で使うセリフ「おい、今夜は無礼講だ。なんでも思ったことを言ってみろ。ははは」なんていう誘導尋問には決してひっかからないこと。その一言で銀行員人生が終わった人を何人も見てきたから。