「酒屋→コンビニ→立ち食いそば」と変貌
「みさわ」は2017年12月にオープンした。店主の三澤一寿さんに繁盛具合を聞いてみると、「昔の常連さんはいなくなっちゃったけれど、今はまた新しいお客さんが少しずつ増えてきています」という。
「みさわ」は20世紀までは三澤酒店であった。21世紀になる頃、親から仕事を引き継ぎコンビニに業態変更した。コンビニとしてはそれなりの集客を続けていたそうだ。しかし、創業初期から、「とにかく人(アルバイト)が集まらない苦労の連続だった」という。
「親に楽してもらおうと思ってコンビニをスタートしたけれど、結果的に頼りまくることになってしまって……」と、当初の計画からズレが生じて行った。そんな時、常連のお客さんでそば・うどんの経営に詳しい方がいて、今の業態にたどり着いたというわけである。
「みさわ」の営業は朝8時から夜10時まで。土日祝は定休日にして、従業員はなるべく家族中心にして少ないバイトで回転できるようにした。そして、コンビニ時代にできなかった店呑みを導入した。今はやりの角打ち感覚を楽しめるというわけである。そして、立ち食いそば・うどんの提供を中心にした。
かき揚げ天、あなご天、いか天……自家製天ぷらはお酒のつまみにも
麺は丸山製麺の茹で麺を使用。つゆは市販のつゆに独自に仕入れたかつお節で追いかつおして、出汁の風味をアップした。
天ぷらは三澤店主の自家製である。かき揚げ天だけでなく、あなご天、いか天、ちくわ天、ハムカツや唐揚げなども並ぶ。他にも筑前煮や白菜のつけもの、ザーサイ、べったら漬け、きんぴらごぼうなどの小鉢もそろっている。これらはお酒のつまみにもなる。他にサイドメニューとしてはカレーライスや半(ハーフの)ソースかつ丼、半牛丼、おにぎり、いなり寿司などがある。結構豊富なメニューだ。
さっそく、「唐揚げ・ハムカツそば」(490円)を注文してみることにした。カウンターにすぐにかけそばが登場した。唐揚げとハムカツは別皿でセルフでとり、レジで精算するという仕組み。さぬきうどん店でよくみるシステムだ。つゆはやや甘めのしっかりした出汁のかおるタイプである。唐揚げは油切りもよく、カリッと揚がっている。なかなかよい。