参加するための4つの条件
誰でも申込みができるが、いくつかの規定がある。
(1)奉仕に参加できるのは、15人から60人までの団体に限る
(2)期間中の年齢が満15歳から満75歳までであること
(3)皇居内での徒歩移動や清掃作業が可能であり、自分の健康に責任を持てること
(4)4日間の参加が可能なこと
団体は地域の集まりや職場の仲間、学生有志など、日頃から親交のある人や恒常的に一緒に活動している人での構成が望ましいとされ、奉仕期間のみの限定的・一時的に構成された団体だと参加が認められないケースもある。
人数さえ集めれば誰でも申し込むことができるので、自分で団を結成してもいいが、初回は勝手も分からないので、参加を検討している知り合いのいる団体に所属するのがいいとすすめられ、私は友人の所属団体に入れてもらった。
かつては地方の自治体や婦人会の参加が多かったようだが、現在は学生による団体や、異年齢で結成された趣味の団体など、年齢も活動内容もさまざまだという。地方からの参加者を募った営利目的のツアーなどもあるというが、これには宮内庁も苦言を呈している。「毎年来ている」という「常連」もいて、宮内庁職員に顔を覚えられている「名物参加者」のような人もいたのには驚いた。
教育係の“ロッテンマイヤー先生”も
皇居勤労奉仕をお世話してくれるのは、宮内庁長官官房総務課庶務第二係である。毎回「総監督」のような立場で担当者がついてくれ、私が参加した時は八木さんという、かつて宮家にもお仕えしていたご年配の方が中心で、2番手に長谷部さんという女性がいた。長谷部さんは現在、1番手に昇格されていて、外見にそぐわない厳しい取り仕切りから、常連からは親しみをこめて「ロッテンマイヤー先生」と呼ばれているという。
(※ロッテンマイヤー先生は『アルプスの少女ハイジ』に登場する、都会にやってきたハイジを厳しく教育指導する教育係。長谷部さんの厳しい口調による引率指導がロッテンマイヤー先生を想起させることから、誰ともなくそう呼ぶようになったと「勤労奉仕団リピーター」の友人が話していた)。