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「いったんAIからだめ出しをされると……」 朝日が「AIと憲法」を考えた「5月3日のこと」

各紙読み比べで分かった「朝日らしさ」

2019/05/10
note

いったんAIからだめ出しをされると……

 落ち着いて読んでみる。

 すると「AIによる人間の仕分けが、差別や深刻な排除を生む可能性があります」という大学教授の言葉を引用していた。

 で、次のように書く。

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《懸念されるのは、たとえばこんな事態だ。

 企業の採用や人事、金融機関の融資の審査といった場面で、さまざまな個人情報に基づいてAIが人間に点数をつける。いったんAIからだめ出しをされると、その理由の説明もないまま、否定的な評価が知らぬ間に社会で共有され、ずっとついて回る。

 まさに、「個人の尊重」(13条)や「法の下の平等」(14条)という日本国憲法の基本的な原理に関わる問題だ。》

 ああ、言いたいことがなんとなくわかってきた。

©iStock.com

 しかしこの社説を読んで思うのは、

 ・「AI」というお題で何か書いてやろう。
 ・他紙とは違う切り口を。

 という意志である。誇り高き朝日のキャラが漂う。

 こうなると「ふん、カッコつけやがって」「何言ってるかわかんねえよ」と産経あたりは思ってるに違いないのである。

 令和になっても「朝日らしさ」は貫徹してほしい。そして他紙のツッコミ&やっかみにも引き続き注目したい。そうすれば新聞はまだまだ面白いはずなのだ。

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「いったんAIからだめ出しをされると……」 朝日が「AIと憲法」を考えた「5月3日のこと」

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