平成から令和へ。新聞はどう伝えたか。
12紙読んでみたが、あらためて感じたのは「朝日らしさ」だった。
朝日らしさとは何か?
社会正義を追求する一方で「大朝日」のプライドも見え隠れし、それが鼻持ちならないと他紙や週刊誌の格好のツッコミ対象となる姿である。朝日新聞を擬人化するなら「高級な背広を着たプライド高めのおじさん」であると私は思う(拙著『芸人式新聞の読み方』より)。
「令和の時代が、平和で実り多くあることを願う」。退位礼正殿の儀での、天皇陛下の最後の「おことば」を記した号外が発行されました。 pic.twitter.com/w6gsbVlNQl
— 朝日新聞(asahi shimbun) (@asahi) 2019年4月30日
では平成から令和への報道で朝日らしさを感じた記事をあげよう。
まず「新元号 濃い政治色」(朝日新聞4月30日)だ。
安倍首相が「令和」を気に入った理由が書かれていた。典拠となった万葉集は天皇や皇族から、防人、農民まで幅広い層の歌を収めているとされてきたので首相は政権の看板政策「一億総活躍」のイメージを重ねて気に入ったのだという。
なんと、自分の政策ありきで元号を選んだらしい。ホントの愛国者や保守派はザワザワするに違いない。
この記事、さらに読ませたのは当初の首相メッセージ案について。
《首相は「令和」で一億総活躍を体現したがったが、首相官邸幹部は進言した。「首相の元号ではなく、次の時代の元号。政権の政策につなげて『安倍色』を出し過ぎれば、政治的なリスクになりますよ」》(朝日4月30日)
やれ忖度だなんだと言われているが、ここまでアレだとさすがに周囲も進言するらしい。それを知れた貴重な記事でもあった。
平成最後の日に元号の選出過程についてあらためて朝日はぶつけてきたのだ。問題だと思ったのだろう。「朝日らしさ」を感じた。