低迷していたユニバーサル・スタジオ・ジャパンをV字回復させたマーケター・森岡毅さんが『苦しかったときの話をしようか』を出版した。
「もともと、就活に悩む娘に向けて書いたもので、世に出すつもりはなかったんです。しかし、娘と同じような人に勇気を与えられればと思って本にすることにしました」
本書で語られるのは、就活や転職などキャリアを考えるうえで大切にしたいこと。また、人生をどうデザインしていくかという「セルフブランディング」についてマーケターの視点からアドバイスする。
「人生は勝ち続けた人が成功するのではありません。勝ったり負けたりしながらも、そのなかで成長し続けることのできた人だけが目的に一歩ずつ近づいていける。長いマラソンなので、しんどくなったらピットインする。そしてまた歩き出せばいいんです」
大切なのは、負けても前に進めるような「好きなこと」を見つけることだと説く。
「私は戦略を考えて世の中を変えることが好きです。好きなことだから負けても前に踏み出すことができた。よって、好きなものを発見する必要があるのです。キャリアの成功者は『発見の成功者』です」
本書には、森岡さんが挫折した話も多く紹介されている。
「かつて勤めていたP&Gで、失敗するとわかっているプロジェクトに部下を巻き込んでしまったことがあります。そこからどう立ち直ったのか。会社組織で悩む人たちのヒントにもなればうれしいです」