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結婚4年目のゲイカップルは寝室が別になる?――七崎良輔さん・亮介さん夫夫対談

『僕が夫に出会うまで』発売記念

note

七崎 たしかに、僕、ヒの字になって寝るのよ。

亮介 別にすることで、だいぶ睡眠の質が改善されてきましたよ。フローリングの上だけど。

ヒの字を実演する七崎さん

―― あとは、七崎さんが大ざっぱで、亮介さんが細かいと聞いているのですが……。

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七崎 お風呂使った後もね、扉をきっかり15センチ開けておかないと怒られるんですよ。かびちゃうでしょって。

亮介 きっかりではないです、許容できる誤差の範囲はあります。七崎は、全然掃除しないんですよ。犬のトイレも、まだ子犬で、うんちとか踏み散らかしちゃうから気をつけて見ててくれってお願いしたのに、見てくれないし……。

七崎 でも……見れないときだってありますよね?

亮介 なんだか裁判みたいになってきてません?(笑)

 

夫夫の財布事情は?

―― 夫夫の財布はどうなっているんですか?

七崎 全部別にしてます。亮介君がどれくらい稼いでるのかも、知らないです。3LDKの中古マンションを買って、そこに住んでるんですけど、2人の名義にできなかったので、亮介君の名義で買いました。僕は毎月ローンの半分出しています。

―― そうすると、住民票上はどうなるんですか?

亮介 戸籍は一緒にできないけど、住民票上は世帯を一緒にすることができるっていうので、一回やってみたんです。でも、そしたら僕の年収に引っ張られて、七崎の保険料とかいろいろなものがすごく上がってしまって。

七崎 控除は何もないのに、払う金額だけ上がっちゃって悔しかったですね。気づいてからはすぐ、世帯分離しましたけど。

七崎さんの母の考えが変わったきっかけ

―― 今後、日本のLGBTQを取り巻く環境で、特に変わって欲しいなと思うことは何ですか?

七崎 本当にいろいろありますけど、まずは同性婚が認められて欲しい。僕の母親は、2017年に母が住む札幌でパートナーシップ宣誓制度ができてからは、すごく考え方が変わって、以前よりも僕がゲイであることをしっかりと受け止めてくれるようになりました。

 

 公的に認められると、いわゆる“お墨付き”ということでみんな、受け入れやすくなると思うんです。制度が世間を引っ張ってくれるんじゃないかなと僕は思っています。

亮介 最近ツイッターで、「他国ではLGBTQの人が死刑になったりしている。そういうことがない日本って、LGBTQに寛容じゃん」って趣旨の投稿を見かけたんですよ。でも、当事者からすると、普通に生きているだけなのに理不尽な目に遭うことが本当に多くて。