昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2019/05/27

イケメン社長、イケてるドールを作る

 まず、トップバッターとして紹介するのは広東省東莞市に本社を置く人造人科技(GYNOID、RZRDOLL)だ。ドールの造形師で会社のCEOでもある一刀氏は、30代前半ぐらいの爽やかなイケメンである。

 一刀氏はもともと映画の大道具を作っていたらしく、同社のシリコーン製ドールの造形技術はかなり高い。ラブドールは通常、オリエント工業などの日本メーカー製品を含めてヘッド部とボディが別々に作られる(なのでメンテナンス時などは頭を外す)のだが、人造人はなんとヘッドとボディが一体化した製品の開発にも成功してしまった。

人造人科技の一刀社長。見た目も腕前もイケているラブドール造形師にして青年実業家。2018年5月安田撮影

 業界最大手のEXDOLLが、やや萌え系の美少女ドールを得意としているのに対して、人造人は大人っぽいお姉さん系を得意としている。貴州省から上海の性文化展にやってきたラブドール仙人は、美少女系が好みなので「質は良いが趣味に合わん」とイマイチな評価を下していたのだが、人造人の造形レベル自体はEXDOLLと競える水準だ。

上海の性文化展のブースで展示されていた人造人科技のドール。相当な造形水準だが、価格は2.5万元(約40万円)弱と日本メーカーの3分の2程度である。2018年5月安田撮影
こちらも人造人科技のドール。2018年5月安田撮影

 私は人造人の造形に感心し、彼らと微信(中国のチャットアプリ)の連絡先を交換した。結果、帰国後に同社の関係者から何度も「ラブドールを日本で販売する手伝いをしてくれないか!?」とメッセージが送られてくるようになった。副業としてやってみるのもアリかなーとも思うのだが、なかなか勇気ある第一歩を踏み出せないでいる。

なぜか社名が日本語のメーカー

 次に紹介するのは、遼寧省瀋陽市に本社を置く中堅どころのメーカー、ドール奇她(Qita)である。理由はよくわからないが社名がニセ日本語だ。ドールの顔立ちの造形は美少女系であり、コンセプトとしては業界最大手のEXDOLLに近い。角を持つエルフっぽいモデルなど、ファンタジー系の製品も多く作っている。

上海の性文化展に出展中のドール奇她のブース。2018年5月安田撮影

 ドール奇她の製品を仔細に眺めていたラブドール仙人いわく、同社は最近の技術の進歩がめざましい注目株のメーカーらしい。前出のEXDOLLや人造人科技を含めて、ここらへんまでは、必ずしも性的な用途を目的にせず撮影やコスプレのモデルとしてドールを購入するコレクターからも注目されているメーカーである。