米中貿易戦争といったハードな話題はさておくとして、最近の中国B級ニュース界隈で人気の話題のひとつが、本来は男性向けのアダルトグッズである「ラブドール」の著しい進歩だ。おそらく、この手の中国ラブドール・ニュースの先駆けになったのは、私が2017年秋に『SAPIO』(2017年11・12月号)で報じたAI搭載ラブドールの記事である。
■結婚できない男3000万人超の中国で狂い咲くラブドール産業(NEWSポストセブン、筆者執筆)
■話せる「スマート」ラブドール、中国人男性の孤独感を埋められるか?【再掲】 (AFP)
■爆ヒット!! 11万円で手に入る中国初「AIラブドール」の魅力(クーリエ・ジャポン)
5月20日、私は中国の性事情に特化した新著『性と欲望の中国』を文春新書から刊行した。同書中では、大連の中国最大手ラブドールメーカーのEXDOLLへの工場見学記や、内陸部の貴州省の山奥でラブドール8体と暮らす「ラブドール仙人」の自宅にホームステイした話、仙人と一緒に上海の性文化展(チャイナ・アダルトケア・エキスポ2018)に行った話など、知られざる中国ラブドール事情について詳しく紹介している。
だが、同書でも紹介しきれなかった話もある。例えば、群雄割拠の状態にある中国の主要なラブドールメーカー各社の詳しい紹介と、その製品(主に造形クオリティ)についてのレビューだ。業界最大手である遼寧省大連市のEXDOLLについては『性と欲望の中国』のなかで詳述したので、以下はそれ以外のメーカーについてご覧いただこう。