文春オンライン
ポーカー世界大会準優勝 参加費16万円で「賞金9000万円」を獲得した池内一樹さんにインタビュー

ポーカー世界大会準優勝 参加費16万円で「賞金9000万円」を獲得した池内一樹さんにインタビュー

「興奮して少し手が震えました」残り6人の大きな勝負で……

note

美女がクッションでバフバフ叩いてくれるサービス

――では、ブレスレットの価値とはどんなところにあるのでしょう。

池内 また漫画のたとえで恐縮ですが、ブレスレットは『ONE PIECE』における「ひとつなぎの大秘宝」みたいなものかなと。その価値は明確ではありませんが、それを追い求める過程に凄い価値があると思っています。

 個性的な仲間達と出会い、切磋琢磨し、海の外に旅立ち、強敵と戦い、王座を目指す。ポーカーのおかげで僕の人生はエキサイティングなものになりました。

ADVERTISEMENT

WSOPの会場となっているラスベガスのリオカジノ ©iStock.com

――初めてWSOPイベントに参加したときのことを教えてください。

池内 僕が初めて参加したのは2006年。クリス・マネーメーカーという無名のアマチュアプレーヤーが86ドルの予選から勝ち上がって、WSOPのメインイベントで優勝する「アメリカン・ドリーム」を成し遂げた後で、全米がポーカーブームに沸いていた時期ですね。

 現在はポーカーテーブルが置いてある大ホール(パビリオン)にて、ポーカー関連企業の展示会みたいなイベントをやってました。オンラインポーカーの運営会社がやってるブースもあったんですけど、そこに大きなベッドが置いてあって、ランジェリー姿の美女が2人座ってるんですね。真ん中に座ると、両脇から美女がクッションでバフバフ叩いてくれて、写真に撮ってくれる。そういうクレイジーなサービスがありました。壁にはオンラインポーカーのロゴが貼ってあって、要は宣伝なんですけど。「アメリカ人ってセンスがブッ飛んでるな!」とド肝を抜かれました(笑)。

早く始めて文字通り一日の長があった

――池内さんがポーカーを始められたころは、まだ日本のポーカープレーヤーはほとんどいなかった時期だと思います。ポーカーをプレーするようになったきっかけ、上達方法について教えてください。

池内 きっかけは友人の一人がポーカーを始めて、「これ面白いよ!」って仲間内で広まった感じです。ポーカーブームの始まりの頃で、誰もが手探り状態でした。当時はポーカーの教材みたいなものはほとんどなかったんです。なので、ちょっと気の利く人とか、ポーカー歴がほんの何ヶ月長い人が強いみたいな感じで。

 僕の場合、早く始めて文字通り一日の長があったので勝てる、楽しい、続ける、経験値さらに上がる、勝てる、というサイクルで実戦を積んで上達しました。

 じゃあ、これから始める人はキャリアの長い人を追い越せないのかというと、まったくそんなことはなくて。今は教材も充実してるので僕が7年くらいかかって気づいたことが、ポーカー本を読めば30分で得られたりします(笑)。ポーカーAIと対戦して勉強したり、昔と違って最初から比較的正しい知識を習得できるので、おじさんよりもむしろ若い人の方が強い傾向がありますね。

 

――池内さんは『フィル・ゴードンのポーカー攻略法』の監修をしたり、「ひゃっほう掲示板」を運営したりと、これまで日本のポーカープレーヤーを育成する立場から貢献されてきました。一方では、一人のプレーヤーとしても結果を出したいという思いも強かったのでしょうか。

池内 もちろんです。単純に好きなゲームで競い合って勝ちたい、という欲求はありますし、直接的な収入にもなりますしね。面白い経験が増える、っていうおまけもあります!

 例えば、ポーカー愛好家として知られているGACKTさんの番組に呼んでいただいたり、ポーカー関係の方とは最初から打ち解けやすかったり、普通に暮らしてたら知り合えないような凄い方々に親しくしていただいています。ツイッターでレスや「いいね」をたくさんもらえて、承認欲求が満たされたり(笑)。