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解説のプロにも褒められたビッグブラフ

――ファイナルテーブルを含めてご自身のプレーを振り返って、印象に残っているシーンはありますか。

池内 やはりチップ量が一番手の時に、二番手に対してビッグブラフを仕掛けたハンドですね! 解説のプロにも褒めていただいて嬉しかったです。

池内さんがビッグブラフを仕掛けた場面
途中、ブラフをしていた池内さんのKTは相手のAKに負けていたが、最後の1枚でT(10)が落ちて逆転した

――ビッグブラフを繰り出して相手が考えている間は、どんな心境でしたか。

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池内 ノータイムで受けられたら、こちらがかなり不利なサインです。それがなくてまずは良かったなと。 次にマネープレッシャーに日和らず良いプレイができたなと思いました。

 ですが、相手が降りるか受けるかで数千万円の期待値差が出る人生最大のブラフ。やはり少し緊張しました。それを悟られまいと水を飲んだりして何となく余裕感を出したりしてました(笑)。

――最後、10のカードが落ちて逆転したときはかなり冷静そうな様子でした。

池内 良いプレイができたならば、結果はどちらに転んでも仕方ないと思っていました。落ちた瞬間は「よしっ」という感じで。目の前に敗退した相手もいますし、まだ勝負は続くので平常心でいることを心がけました。それでも興奮してしまって、チップをかき集める手は少し震えてた気がします。

 

最高のコンディションと心地良い緊張感

――逆に後悔しているようなプレイはありますか。

池内 チップセットの色に慣れておらず、相手のチップ量を正しく把握するのが難しくて。それに起因する、細かいミスはありました。ですが、おおむね自分にできるベストなプレイができたので後悔はありません。それができるよう、変な遠慮をせずにゆっくり時間を使って慎重にアクションを選択しました。

――残り6人となった最終日は、暫定1位のチップリーダーとして迎えました。5日間に及ぶトーナメントでしたが、疲れや緊張はありませんでしたか。

池内 それほどありませんでした。WSOPで日本人初優勝した木原さんから、「ずっとチップリーダーだったので、興奮して優勝が決まるまでの数日間全然寝られなかった」と聞いてました。なので念のため睡眠薬を用意してました。それを飲んで4時間程ですがぐっすり眠れました。なければ眠れてなかったかもしれません。

 お陰でファイナルは最高のコンディションと心地良い緊張感の中、集中してプレイできました。

応援に駆けつけた木原直哉さん(写真左)は、日本人初のWSOP優勝者。関谷洋右さん(写真右)も、世界で活躍する日本人トッププロの一人