――ファイナルテーブルでは、観戦に来ていた木原さんからのアドバイスもあったそうですね。具体的には、どんな内容だったのでしょうか。
池内 残り6人の状態で、僕の2つ右のプレーヤーはレイズ率が高く、リレイズされたらすぐ降りるので積極的にリレイズを狙う。右隣はプリフロップはコールしすぎだけど、ボードが開いてからのプレイは意外とタフなので、そことはぶつかるのを避ける。左の3人はすぐ降りるので積極的にスチールする。
チップ量は僕を含めた上位2名が多く、その他4人は下のほうで横並び。順位が一つ繰り上がるごとに賞金は1000万円ぐらい上がるという状況なので、横並びの4人は早飛びするリスクを避けて消極的なプレイになるだろう。この状況を利用してプレッシャーをかけ、チップを増やそう、みたいな感じです。
木原さんはテーブルにいる僕よりも的確にプレーヤーをプロファイリングできていて、「流石だな」と思いました。
賞金9000万円の使い道は……
――奥様からは、今回の結果を受けてどんな言葉がありましたか。
池内 「良かったね」と。ファイナル進出が決まった時にたまたま、僕も知ってる近所のママ友と一緒にいたらしく、その3人で「なんか凄いことになってる!」と盛り上がったらしいです(笑)。それで妻もママ友も次の日は現地でゲームが再開する朝5時に起きて、「今どうなってる!?」ってネットの情報で成り行きを見守ってくれてたらしいです。
――差し支えなければ、賞金の使い道について教えてください。
池内 まず税金に約2000万円ですね(笑)。妻にもいくらか渡して。父親には「半分あげる!」って言ったんですが、辞退されました。
僕は贅沢品も買わないし、食事も服も変わらないです。丁度、投資の勉強を始めようと思っていたところなので、将来的には投資の軍資金になるかもしれません。
使わずに貯金しておくと、今後ポーカーでめちゃめちゃ不運な下振れがあった時でも「クソっ! ツイてなさ過ぎる! でも待てよ? 俺あの時、超上振れて9000万円勝ったしな……」と思えるのでお得な気がしてます(笑)。
――今後の目標について教えてください。
池内 やはり特別な大会WSOPの中でも特別なイベント、メインイベントでの優勝です!
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メインイベントの優勝賞金は10億円近い
WSOPのフィナーレを飾るのが、合計89あるイベントの中でも権威のあるメインイベント。参加費1万ドル(約109万円)を支払い、世界中から腕に覚えがあるポーカープレーヤーが参戦する。昨年は7874人が集まり、優勝者は880万ドル(約9億5500万円)を獲得した。
日本でもポーカー人口は年々増加しており、WSOPに参戦するプレーヤーも増えている。しかし、日本人では、いまだメインイベントの決勝卓(ベスト9)までたどり着いたプレーヤーは存在しない。果たしてそこでどんなドラマが生まれるのか――。
世界最高の座をかけた今年のメインイベントは、7月3日に幕を開ける。