昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2019/06/21

――2014年の雨傘運動(雨傘革命)と今回を比べてどう感じますか?

K: 今回は当局がとても準備を整えていた感じがする。催涙弾が多い。前(雨傘運動)はここまでじゃなかった。

F: 雨傘運動の当時は14歳だったけど、最初の2~3日くらい旺角での座り込みに参加した。「雨傘」と比べると、今回のほうが市民の行動がおとなしいと思う。

語ってくれたFさん(左)とKさん(右)。デモのトレードマークの黒シャツ姿だ。6月16日のデモ前に撮影 ©安田峰俊

「意識の高い」学生からブルーカラーの若者まで

 やや表現足らずな部分も含めて、上記で紹介したのは本人たちの肉声である。インタビューでは十分に話さなかったが、彼らが「先にやった」内容には、路上封鎖用の柵越しに警官にモノを投げつける……くらいの荒っぽい行為も含まれていた模様だ(もちろん、だからといって香港警察が至近距離から若者にビーンバッグ弾を撃ったり、抗議をおこなっただけの無防備な中年女性に暴力を振るったりと過度に攻撃的な鎮圧行動を取ったことを擁護できるわけではない)。

 2014年の雨傘運動も今回のデモも、メディアで大きく紹介されるのはエリートの学生運動家たちだ。彼らは英語や日本語を使い、弁舌さわやかに西側的な論理を語る(特に日本では女子大生活動家の周庭〔アグネス・チョウ〕氏が有名だ)。そのため、日本を含めた先進国では、香港のデモに対して熱狂的に入れ込むような外国人の支持者たちも生まれている

香港警察や林鄭月娥行政長官が、12日の衝突を「暴動」と規定したことに抗議するプラカードを掲げる高齢男性。香港人(中国人や台湾人も)は若者の行動に寛容なところがあり、若者がケガをさせられると親世代も猛烈に怒る ©安田峰俊

 だが、実際にデモの現場を支える若者はそうしたキラキラした人たちのみならず、もっと泥臭い人も数多く含まれている。日本ではあまり報じられていないが、雨傘運動の際に下町の旺角を占拠した部隊もなかなか荒っぽかった。むしろ注目すべきは、昨今の香港では「意識の高い」優秀な学生から庶民的なブルーカラーの若者までが、同じ方向性の運動に参加している事実それ自体だろう。(#2へ続く)

この記事の写真(4枚)

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー