厚生労働省が2017年に発表した統計によると、日本人の平均寿命は男性「81.09歳」、女性「89.26歳」と、過去最高を更新し続けている。「人生100年時代」と言われるなか、「QOL(生活の質)」の向上は、現代人にとってますます重要な課題となっている。中でも性生活は、人間らしい暮らしを送る上で避けて通れないテーマだろう。人は何歳までセックスできるのか――かつて「週刊文春」で話題を呼んだ本企画は、これからを生きる現代人にとっても示唆に富む。あらためてここに公開する。

 今回のテーマは骨盤体操。今すぐできる簡単な2つの体操を紹介する。(前編より続く)

※「週刊文春」2012年9月27日号より転載。記事中の年齢や日付、肩書き等は掲載時のものです。

フリーズした骨盤をほぐす

 寺門氏の骨盤体操の中から、簡単なものを紹介してみよう。

◎腰フリフリ体操(図3)

 下半身の緊張を解き、フリーズした骨盤をほぐす。これは仰向けに寝て、足を少し開き、腰から下を左右にフリフリと動かす。

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 そして腰を左右に振る時に、「右、左」と声に出しながら、腰を床に押しつけるようにする。

 

◎からだモード体操(図4)

 前述したセクシーエネルギーこと脳脊髄液を、頭蓋仙骨系に循環させるには、全身をリラックスさせるのが大切。40センチから50センチの高さの椅子や台を用意して、部屋の照明を落としてから、図4の①のように横になる。そして、②~④の体操を2分間ずつ行って緊張を解いていく。

 

 冒頭で紹介した野口晴哉は自著でこんな話を紹介している。胆石がある女性に治る方法を教えたら、本当に治ってしまった。驚く主治医に、野口はこう言う。

「私はべつだん胆石は治さない。子宮の内側の血行をよくするような姿勢をとる方法を教え、太れるように腰を調節した」

 医師が「胆石と子宮は違う」と反論すると、野口は「あなたは人間の体を知っていない」と言い、胆石でも子宮の血行や脈管運動の調節でよくなると説くのだ。つまり、体は繋がっているのである。

 寺門氏はこう言う。

「多くの人はパソコンで目と指先だけを動かす生活で1日を終えている。与えられた体の仕組みを使っていないんです。生まれたからには、自分自身を使い切るのが幸せだと思います」