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source : 週刊文春 2012年9月27日号

genre : ライフ, ライフスタイル, 医療, ヘルス, 社会

「体は繋がっている」

 こうした体の仕組みを使って、自らのEDや持病を治していった医師がいる。大阪の芦原紀昭氏(64)だ。芦原氏の病歴は悲惨の一言に尽きるが、本人に会うと、元気溌剌でそういうふうには見えない。

 芦原氏が話す。

「1歳の時からケガが多く、8歳の時に大原麗子と同じギラン・バレー症候群になり、左膝を切開して下半身に少し後遺症が残りました。また、目眩で倒れて風呂場のガラス戸を割って、腕と足を大きく切ったこともあります。そのせいか体が冷えて集中力がなくなり、学校の成績が下がりました。

 性格は鬱っぽくなり、大学時代は自殺したいと思ったこともあります。50代でアトピーになるし、安倍晋三と同じ大腸炎で、電車の中で突然便意をもよおすことも頻繁でした。交通事故で鞭打ちになり、一時は物忘れが激しくなったこともあります」

 40代で妻を癌で亡くすなど、心身ともにボロボロの日々が続いたという。

 しかし、芦原氏が「体は繋がっている」と実感したのは、10年以上前、踵の真ん中にある“失眠のツボ”を押すことで、3時間しか眠れなかったのが、6時間熟睡できるようになってからだ。

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内転筋トレでEDが治った

「足は人間のエネルギーのもとで、筋肉は大きな臓器であると気づき、研究を始めたんです」

 子供の頃のケガの後遺症から太股の筋肉が弱く、そのせいか他の筋肉がつくれないでいた芦原氏は、膝や足首を治すと、不思議と筋肉がつき始め、頭がさえるようになったという。

 これは「ふくらはぎは第2の心臓」であることを世に広め、107歳で亡くなったきんさん(成田きん)が実証している。90代で認知症になったきんさんは、毎日、下半身やふくらはぎを鍛え、ふくらはぎに低周波電流を流して血流を改善したことで、ボケから見事に復活したのである。

 芦原氏が続ける。

「足裏の筋を伸ばしてやり、またハムストリングと呼ばれる大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋といった太股の裏側の筋肉を鍛えるようにしました。すると、血流が良くなり、若返るんです。

 一番いいのは歩くことで、それまで慢性的に疲れやすかったのが良くなったんです」

 もともと彼は足の小指が浮いていて使っていなかったが、足の指をすべて使うよう意識し、足裏には磁気シール、足首にはスポーツ選手のようにテーピングをして生活。そしてハムストリングを鍛えたことで、「人間が変わった」と思うほど性格まで変身した。

「52歳の時に女性と同棲していたのですが、EDで半年間もセックスレスでした。EDが治ったのは、やはり内側の筋肉である内転筋群を鍛えたことです。朝夕、2回歩くだけで、勃ち方も変わりました」