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石破茂に聞く「なぜ若手議員と料亭に飲みに行かないんですか?」

「ポスト安倍」アンケート1位 石破茂インタビュー#2

石破さんはツッコミが細かすぎる?

――あえて石破さんに対する、今まで聞いてきたネガティブな話をします。防衛大臣時代、極めて細かいところまで通じていらっしゃる、それはいいところでもあるけれど、一方で“マイクロマネジメント”というか、重箱の隅までつつかれて辟易というような幹部もいました。

石破 防衛大臣が他の大臣と違うのは、自衛隊という実力組織をお預かりしているということです。自衛隊法に記されていない行動は1ミリたりとも取れないのが自衛隊なのですから、まずはその根拠法を知らなければ指揮のしようがないんです。次に装備。戦闘機、護衛艦、戦車、どんな性能を持っているかを知らないと作戦が理解できない。そして日米安保条約、日米地位協定を知らないと、米軍との関係がわからない。防衛省の幹部の方々からそういう批判があることは不徳の致すところですが、一方で「だから議論ができた」と言ってくださる方々もおられました。

 

――これまで「良きに計らえ」のような大臣が続いてきたことで、防衛省内でも細かいところまで勉強されることに慣れていない。

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石破 そうだったのかもしれません。でも、防衛大臣、防衛庁長官というのは、他の大臣と違うからだ、と私は思っています。農林水産省からそんな批判はないはずです(笑)。

石破さんは人間に興味がないのでは?

――確かにそうですね。あともう一つ批判というか、石破さんが安倍政権の幹事長をされている頃に安倍さんなりが「石破さんは人間に興味がないんだよね」「お金の使い方がよくわかっていないみたいだ」ということを言っていたようですけれど。

石破 そうなんですか。人間に興味って何でしょう。

 

――おそらく、私の理解では、安倍さんは毎晩毎晩、会合を2階建て、3階建てと入れて、こまめに若手の面倒を見て、兵を養い、自分が勝負するときの準備をしていると。石破さんは恐らくその間、本を読んだり、政策の勉強をされていた。その違いでしょうか。

石破 人間に興味がないわけではないです(笑)。ただ私は、若手のことを考える、というときに、選挙で当選することを最優先に考えてあげたいと思っているんです。大臣のときも、あるいは無役になってからも選挙の応援は相当行っているほうだと思う。