◎いまさら聞けない「女性天皇」「女系天皇」「女性宮家」ってなに?
「女性天皇」とは、文字通り、女性皇族が即位した場合の天皇を指します。一方で、「女系天皇」は母方だけが天皇の血を引く子が即位した場合の天皇のことです。
これまで女性天皇は過去10代8人が存在していますが、女系天皇は存在していません。誕生すれば歴史上の大転換となります。女性天皇だけを認めて女系天皇を否定するのは一代限りの先延ばしに過ぎないという専門家もいます。
「女性宮家」とは、女性皇族が結婚した後も皇室に残れるようにするために創設が検討されている「家」のことです(現行の皇室典範では、女性皇族は一般男性と結婚すると皇籍を離れなければなりません)。もし、眞子さまが小室圭さんと女性宮家創設の上で結婚された場合、眞子さまは皇室に残られ、結婚相手である小室さんには「皇配殿下」などの呼称で皇室入りするという可能性があります。
「旧宮家」とは、第二次大戦後にGHQによる皇室財産の国庫帰属の指令をふまえて皇籍を離れた11宮家のことです。安倍晋三首相の支持団体である「日本会議」など、男系男子による皇位継承を存続すべきだと主張する保守派は旧宮家の男性を皇族として復帰させるべきだと主張する向きが多いようです。
こうした安定的な皇位継承を実現するための議論は、十数年にわたって繰り返されてきました。小泉純一郎政権下の2005年、皇室典範に関する有識者会議によって、男女を区別せずに直系の第一子が皇位を継承するという長子優先の、女性・女系天皇容認の最終報告が提出されましたが、悠仁さまの誕生を受けて、皇室典範改正案の提出は見送られました。安倍首相はその小泉内閣の官房長官でした。
しかし、悠仁さまの誕生によって問題が解決されたわけではありませんでした。将来的には悠仁さまと、その伴侶になる女性にかかる重圧が大きいのは明白です。そうした声を受けるかたちで、2012年には民主党の野田佳彦政権が女性宮家の創設を検討しましたが、実現しませんでした。
安倍政権は今秋にも具体的検討に入るとしていますが、はたして結論は出るのでしょうか。
◆
以下に、回答者の代表的な意見を紹介したい。
A:「女系天皇」を認めるべきだ
「『女系』を認めないと本当に皇統が終わってしまいそうなので。天皇家の直系として育てられてきた愛子さまのほうが心から支持できる」(55・女)
「秋篠宮家の方々は連日問題続きで信用性にかける。悠仁さまより愛子さまに天皇になっていただきたい」(25・女)
「天皇は象徴である以上、尊いのはDNAではなく脈々と受け継がれてきた歴史のはず。男系でないとダメというのはあまりにも前時代的」(30・男)
「側室制度がないなら男系を保つことは不可能。現状の制度では悠仁さまと結婚する女性は誰も現れないのではないでしょうか。旧宮家の復帰は、いま一般人として生活している人の子供が天皇になる可能性ができる。女系天皇より違和感がある」(32・女)
「美智子さま、雅子さまは民間から男系天皇に嫁いだ。女系天皇と民間の男性が、結婚して何が悪いのか理解できない。皇位継承資格者として大切なことは男女の区別ではなく、天皇の血筋をひいていることでは」(46・女)
「男系男子の継承は限界がある。小泉内閣のときの『皇室典範に関する有識者会議報告書』で提唱された『直系長子継承』に変更した方が良い」(53・女)
「悠仁さまの事件があって“リスクヘッジ”の必要性を再認識しました。『継承を絶やしてはならない』という認識は国民の総意。リスクを減らすためには、女系天皇も女性天皇も認めるべき」(45・男)
「男女平等の世の中で、『男系天皇』を後生大事に継承していくのはガラパゴス。イギリス、デンマークなどで実施している通り、長子継承で行くべき」(74・男)
「政治的・学術的な論点があるのはわかるが、男尊女卑的な価値観に根差している感は否めない。女系を認めることで、この議論に終止符を打つべきでは」(29・男)