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横断歩道の白線を跨げない人は要注意! 4年間の追跡調査でわかった「歩幅と認知症」の意外な関係

脳の機能の衰えはまず「足」に現れる

2019/07/23

とはいえ、歩きすぎはかえって逆効果

 また、足腰が衰えると、高齢者では転倒のリスクが高まります。転倒すると大腿骨などを骨折して、それをきっかけに寝たきりになる人も少なくありません。厚生労働省の調査でも、要介護の要因の1位が認知症(18.0%)、2位が脳血管疾患(16.6%)、3位が高齢による衰弱(13.3%)、4位が骨折・転倒(12.1%)となっています(平成28年「国民生活基礎調査」)。

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 多くの人が100歳まで生きるかもしれない超長寿化社会を迎え、医療や介護のお世話にならず自立して暮らせる期間である「健康寿命」を延ばすことはとても大切です。そのためにも認知症だけでなく、うつ病、心疾患、脳卒中、がん、高血圧、糖尿病などの予防にもなるとされる「1日8000歩」を目標に、歩幅を意識して歩く習慣をつけてみてはいかがでしょうか(青栁幸利著『あらゆる病気は歩くだけで治る!』SB新書などを参照)。

 なお、歩きすぎると免疫力が低下して、かえって逆効果になると言われています。また、ひざや股関節などが悪い人も、無理して歩き過ぎると症状が悪化する場合があります。筋力が弱っている人は無理な歩行でかえって転倒するリスクもありますので、主治医などと相談しながら、無理のない範囲で行ってみてください。

横断歩道の白線を跨げない人は要注意! 4年間の追跡調査でわかった「歩幅と認知症」の意外な関係

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