昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

source : 週刊文春 2014年2月13日号

genre : ニュース, 社会, 国際, アート

「やはり日本は相当悪いことをしたのだな」という印象に

 たしかに日本政府の対応は後手後手だった。前出のニコラ氏によれば、

「準備が始まった昨年9月頃、パリの日本大使館にもコンタクトし、『日本側の公式な意見を発信する場を設けようか』と訊ねたが、『ノン』という答えでした」

 遅ればせながら開会翌日、菅義偉官房長官が慰安婦問題は「解決済み」という立場から強い懸念を表明したが、反論のために現地で配布した日本側の説明文書がいっそうの誤解を生んだ。

「散らない花」と題された慰安婦企画展の様子

「要するに『日本はすでに韓国にお詫びし、莫大な補償金も支払っています』という弱々しい主張なのです。フランス人からしたら『謝罪しているなら、やはり日本は相当悪いことをしたのだな』と思いますよ。敵に塩を送るも同然です」(前出・在欧ジャーナリスト)

慰安婦がユネスコの「記憶遺産」になる日

 勢い付く隣国の国際広報活動に対抗し、安倍晋三首相は昨夏、長谷川栄一補佐官(61)を兼務の形で内閣広報官に起用。昨年8月に「対外広報戦略企画チーム」を立ち上げている。チームは今回の漫画祭にはどんな対処をしたのか。当の長谷川氏に話を聞くと、

「主催者には日本の懸念を大使館を通じて何度も伝えました。日本政府の基本的なスタンスは政治問題や外交問題にしないということ。僕らも韓国の良識を信じたい。ケンカすることだけに意味があるわけじゃない」

 戦略企画は名ばかりか。積極的な広報工作が行われていたわけではないようだ。だが、それほど悠長に構えているヒマはない。

 現代史家の秦郁彦氏は、「韓国の世界的な反日宣伝はさらに続きます」と危機感を隠さない。

「一番危惧されるのは、慰安婦の証言記録などを整理して英訳出版し、世界的に流通させた上でユネスコの『記憶遺産』に登録するという韓国の計画です。来年中に目録を完成させ、関係国との共同申請も検討しているという。こんなものが登録されたら目も当てられません。日本も官民が連携し、日本の学術的著作を英訳するなど、大至急、有効な手立てを講ずる必要があります」

 これ以上、韓国の宣伝攻勢を許してはならない。

(「週刊文春」2014年2月13日号)

この記事の写真(7枚)

+全表示

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

週刊文春をフォロー