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日本で1つだけ「青春18きっぷで“船に乗れる”のはどこ?」 現地に行ってみた

絶好調「最後の鉄道連絡船」

2019/08/19

 日本三景のひとつにして、世界遺産にも登録されている安芸の宮島。広島市内からもほど近く、1年を通して国内外の観光客で賑わっている日本でも有数の観光地だ。島だから当然だが、宮島を訪れるには船に乗らなければならない。広島港や平和記念公園からの航路もあるが、主なものは2つ。宮島口の桟橋から約10分かけて宮島までを結んでいる宮島松大汽船の航路と、JR西日本宮島フェリーである。そしてこのJR西日本宮島フェリー、かつては全国各地にあった国鉄系列の“鉄道連絡船”唯一の生き残りでもある。屈指の観光地への輸送と鉄道連絡船というふたつの顔を持つJR西日本宮島フェリー、いったいどのような航路なのだろうか。実際に、現地を訪れた。

宮島口~宮島を結ぶJR西日本宮島フェリー

宮島の来島者は「毎月過去最高」

 JR山陽本線宮島口駅からまっすぐ海に向かって歩いて約5分。フェリー乗り場である宮島口桟橋で出迎えてくれたのはJR西日本宮島フェリーの武安つとむ営業課長と、長年船長を務めていたという大田修司運航部長だ。取材日はちょうど台風が接近しているということもあって利用者の数はやや少なめだったというが、それでも乗船を待つたくさんの観光客が桟橋上に列を成していた。

「観光シーズンはほんとうにたくさんのお客さまが宮島に来島されます。特にここ数年はインバウンドの効果もあって宮島航路も多くの方にご利用いただいています。昨年は西日本豪雨の影響で観光産業も大きなダメージを受けましたが、国の復興キャンペーンなどのおかげもあって昨年11月から今年6月までの宮島来島人員は毎月過去最高記録を更新しています」(武安さん)

宮島口桟橋で出迎えてくれた武安つとむ営業課長(左)と大田修司運航部長
こちらはフェリーの宮島口駅

 宮島フェリーの1年あたりの利用者数は2017年が過去最高。昨年は西日本豪雨があって一時的に落ち込んだが、山陽本線が全線で運転を再開した11月以降は絶好調だとか。

「お正月の元旦とGWの中日、8月末の宮島水中花火大会で弊社航路による宮島来島人員が1日2万人を超えるんです。今年はGWが10連休だったので全体的に増えるだろうとは思っていましたが、ピークは例年通りは5月3・4・5日あたりだと思っていました。ところが、蓋を開けたらいい意味で裏切られまして。4月30日と5月1日に今までにないくらい多くのお客さまが来られて……。平成最後の日と令和最初の日の御朱印を求める方がたくさん来られたんですね。特に5月1日は約2万5800人。ある程度の混雑は予想していましたが、ここまでとは……。蓋を開けてびっくり、でしたね」(武安さん)