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なぜ「自家製コロッケ」を選んだのか

 挨拶して早速、「コロッケそば」(380円)を注文した。カウンターだけの狭い店だが、お客さんがひっきりなしに入店してくる。

かきあげ天そば、コロッケそばあたりが人気
おにぎりなどのサイドメニューも豊富

 麺ゆでの間、自家製コロッケの誕生秘話を聞くことができた。「はじめは、忙しくて精肉店で作ってもらって仕入れていたんです。ところが、ちょうど高度経済成長期だったので、どんどん値上がりして利益がゼロになってしまい、それなら自分達で作ろう」という流れで誕生したそうだ。そして、「同時にメンチも自家製にした」という。以前は和菓子も販売していたのだが、それも筑波から来た和菓子職人さんが作っていたそうで、「つくば本店」の自家製への心意気が感じられる。ちなみに、店名はその和菓子職人の住んでいた地名からいただいたそうだ。

 話を聞いているうちに、「コロッケそば」が着丼した。

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きれいなつゆにコシのある麺と自慢の自家製コロッケ

 つゆはさっぱりとした返しとかつお節の出汁がほどよく香る上質なタイプである。昔からこの味は変わらない。そばは近隣の製麺所の茹麺であるが、角がしっかりとしたやや細いタイプで、まさに昭和の味である。そしてコロッケは、自家製だけにやや形がいびつだ。しかし、ひと口食べると、少しだけじゃがいものかけらを感じることができる。まるで家庭で作ったコロッケのようだ。少しずつコロッケをくずして食べ、そばをすする。

コロッケはややいびつな形、まさに家庭の味

「この味がつくば本店の味」である。

 こうなったら、メンチも食べないわけにはいかない。今度は「冷やしメンチそば」(450円)を追加注文することにした。