〈私たちが生きている世界を理解するためには、いろいろな思考法がつまった「道具箱」があるといい〉
スイス人実業家であり、作家、パイロットでもある著者は、その考えを日々の暮らしにも適用している。本書はその、52個の「思考の道具」を詰め込んだもの。〈必要なテクノロジー以外は持たない〉〈性急に意見を述べるのはやめよう〉〈世界の不公正さを受け入れよう〉……端的な提言の裏付けは、最新の心理学や、深い哲学の知見だ。
「注釈や参考文献リストを入れると約480ページもある分厚い本です。翻訳書では、権利者の許諾を得て注釈などを削るなどして本を薄くするケースもあるのですが、明確なファクト(事実)があって、エビデンス(証拠)があって、ボリュームがあるけど読みやすくて、説得力がある……というのが原著の魅力なので、日本語版でもそれを損なわない形で編集しました。すぐに役立つハウツー本ではないけれども、ゆっくり読んで知的に味わうと、生きることが豊かになる本だと、本の佇まいからも伝わればいいと思ったんです」(担当編集者の桑島暁子さん)
主な読者層は、男女問わずの30代・40代。
「成功に向けて煽るような内容ではないので、少し生活が落ち着き、今後の人生の指針を欲するような時期だと特に腑に落ちるのかなと思います」(桑島さん)
2019年4月発売。初版6000部。現在18刷15万部