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——それぞれの取材方法についても話を聞かせてください。

丸山 名越さんの写真って、被写体との間に何かが入ることがまずないじゃないですか? 被写体とそのまま向き合っているような潔さがあります。

名越 基本的にコーディネーターを使うことがなくて、現地でイチから声をかけて被写体を探します。このスタイルでずっとやってきて、これしか出来ないと思うし、今後も変えるつもりはありません。

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インド人はとにかく写真が大好き。カメラをぶら下げて歩いていると、ひっきりなしに「俺を撮れ」と声を掛けられる。

丸山 名越さんとの決定的な違いって、俺の場合、なるべく短期間で取材して他人のまま出てくること。パッと行って、パッと帰ってくる。回数を重ねても、ベタっと張り付かないように。他人だから、外国人だから明かせる話もあるじゃないですか。

名越 自分も意識的にベタっと張り付くことはないです。向こうからしたら「何なんコイツは?」みたいな入り方かもしれなくて、でも時間をかけるとだんだん空気みたいな存在になってくる。そんな時、割といい写真が撮れる気がします。

丸山 大家族の密着ドキュメントみたいな感じですか? テレビカメラがあることが徐々に気にならなくなる。

名越 確かに、被写体と一体化するような。

丸山 名越さんが実際に住んで撮影した団地のルポはそんな感じでしたね。10代を中心に撮っていて年齢差があるからベタっと交わることはないにしろ、一定の距離感があったじゃないですか。

名越 しっかり作品を見て貰って嬉しいですね。ゴンザレスさん、ニューヨークの地下住民にもアタックされているじゃないですか? あれは自分もやりたかったんですよ。

丸山 何かと被りますね(笑)。元々は渡辺葉さんが翻訳した『モグラびと』を読んだのがきっかけで興味を持ったんです。でも、取材した時はもうほとんどいなかった。9.11以降は警備が厳しくて、屈強な警備員が銃を持って警戒している状況になっていますね。