本当に必要なのは教育研修システムや語学研修制度では?
働き方改革が叫ばれる中、社員一人一人の生産効率を上げていくことが求められているが、その解がこうした寛いだり、遊んだり、ボケーとする空間の提供になっているようにもみえる。その一方で社員をエンカレッジさせるような高度な教育研修システムの採用や語学研修制度、会社の戦略を共有化するためのソフト導入などはあまり見当たらない。
そう、社員に「不可」など与えてはならないのだ。人材が不足する時代、社員は「お客様」になっているのだ。5時にはおうちにお帰りいただかなければならないのだ。高いお給料をお支払いし、決して叱ったりせず、気持ちよくお過ごしいただく。そうでないとモンスターペアレントが会社に押しかけてきて騒ぐから「面倒」なのだ。
そしてこうした“社員さま“たちをこれからは70歳、いや75歳までずっと面倒を見てあげなければならないのが日本の企業なのだ。
このままでは日本企業は世界から取り残される
平成元年当時、世界の企業の時価総額ランキングベスト30に日本企業は7割の21社がランクインしていた。30年後の平成30年、ベスト30はアメリカと中国の企業が席巻し、日本企業の姿はなかった。かろうじてトヨタ自動車の35位が日本最高というのが今の日本企業の紛れもない現実だ。
こんな有様で日本は世界に伍していけるのだろうか。いままでは1億人相当の人口がいてくれたおかげで内需だけでもなんとかなった。だがこれからの日本は内需が萎むだけでなく、内需すら外国の会社に奪われていく運命にあるのかもしれない。
まるでサロンのようなオフィスで何も考えずにぼーっと生きている社員たちのなんと多いことか、とチコちゃんに叱られる日も近いのかもしれない。