著者は、オンラインでも展開する人気のライター養成講座「明日のライターゼミ」の講師のひとり。だが、本を出すのはこれが初めて。電通でコピーライター・CMプランナーとして24年間働き、2016年に退職。以降「青年失業家」を自称し、フリーランスでさまざまな活動を行っている。
「今、ブログやSNSで文章を書く人自体は増えているのに、書き手の顔が見えない文章が多い。それは、借り物の言葉を使ったり、本当に思っていないことを書いたり、無意識に自分に嘘をついているからではないかというのが私の見立てでした。著者はTwitterで日々膨大な投稿をしていますが、冗談にも本気にも他者との交流にも、短文の中に確固とした意志と個性を感じた。正直な書き手が増えるような本が作りたいと考えた時、ぜひ著者としてお声がけしたいと思ったんです」(担当編集者の今野良介さん)
〈なにを書くのか〉〈だれに書くのか〉〈どう書くのか〉〈なぜ書くのか〉文章術の王道ともいえる問いをするりとかわしながらも、本質を射抜く。それは著者の人となりそのものだという。
「編集者として僕がやった仕事は、『本当にあなたが読みたい文章になっていますか?』と繰り返し質問することだけ。自分が読みたかった文章がどれだけ社会に受け容れられるのかを証明するのが、著者の生き方でしたから」(今野さん)
2019年6月発売。初版6000部。現在5刷16万部