この数日間に曺国(チョ・グク)辞任を巡って政治判断が行われたのでしょうが、最も影響があったと考えられるのは世論調査の結果です。その中でも、最大野党の自由韓国党の支持率が上がって与野党の支持率が拮抗してきたことが、大きかったと思います。

 文政権を支持していた中間層が、いよいよ野党保守勢力に流れ始めたことを感じ取ったのでしょう。いま韓国の政局は来年4月の総選挙をどう戦うかを中心に動いていますから、この世論の変化には敏感にならざるを得ません。

辞任を表明する曺国法相 ©AFLO

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 さらに、「反・文在寅=政権批判派」デモの広がりも影響したでしょう。このところソウル市内では、「政権支持派」と「政権批判派」のデモが繰り返され、“街頭政治”の真っ只中ですが、政権批判派の数が確実に増えている。いまや政権支持派を上回る人数が集まっています。政権批判派の集会では、普段デモに参加しないような中高年の姿も目にするようになりましたし、デモが繰り返されているにもかかわらず、参加者は減っていない。さすがの文在寅政権も民心が離れ始めていることを実感したのではないでしょうか。