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ラグビー日本代表「“名将”ジェイミー・ジョセフってどんな人?」 指揮官を知る“3つのキーワード”

2019/10/20
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(2)「義理」――行きつけのお店にお土産

 また、ジェイミーを語るうえで欠かせないのが日本人的な(2)「義理」でしょう。

 先ほども触れたとおり1995年のW杯のあとにジェイミーは来日します。そして福岡県宗像市にあるサニックスのラグビー部で約5年間プレーします。

 グルメなジェイミーは、寿司、焼き鳥、とんかつ、さらに居酒屋メニュー……と、大の日本食好きなんです。だからラグビー部の選手が行くところに一緒に行って日本食を堪能して、お店の人とも仲良くなる。

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 お酒も嗜むらしいですが、酔っても決して騒がない、ハメを外さない。そこはジェントルマンなんです。そうやって行きつけのお店がいっぱいできて、その後も日本に来るたびに、お土産を持って行きつけに顔を出す。そういう義理堅いところがあるんです。

日本代表の練習を見守るジェイミーヘッドコーチ ©文藝春秋

 彼の「義理」のエピソードは他にもあって、今年6月に1999年のW杯代表組が再会したんです。トヨタのスタンドオフだった廣瀬佳司が幹事になって、監督だった平尾さんの写真も飾ってみんなで飲んだ。じつはその会ももともとジェイミーが「みんなで集まりたい」と言い出したそうです。彼は1999年のメンバーを今でもすごく大事に思っている。そこでジェイミーがすごくしゃべるとかそういうことでもないけれど、みんなで楽しく飲む。そうやってつながりを大事にするから、ジェイミーの近くにいる人は代表選手も含めて、みんなジェイミーのことが好きになるんですね。