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2019/10/20

(3)「日本人への理解」――ひたむきさを評価するジェイミー

 そしてジェイミーの大事な要素が(3)「日本人への理解」です。

 私も何度かジェイミーのインタビューをしていますが、彼は「一生懸命学ぼうとする」日本人の良さを理解しています。例えば長い合宿をしても、ひたむきに耐えて努力する、そういうところを高く評価している。

 以下は2016年の就任直後に私がジェイミーにインタビューしたものです。

「私のコーチング哲学にスローガンのようなものはありませんが、日本で指導するということでのコーチングの肝を話すと、日本人選手は非常にタフでひたむきに頑張れる特徴があるということです。そのなかで様々なことを学び取ることの出来る賢い選手は誰なのかを見極める必要がある。チームを強くしたい、学びたい、そういう姿勢のある選手がいてくれると、チームの成長を引っ張ってくれます」

「チームカルチャーというのも私のコーチング理念の大きな部分を占めます。ラグビー選手としてだけではなく、人間として成長して欲しい。これまでも私はここに熱意を持ってやってきました。1人よがりではなく、チームが進む方向に自分を合わせて、真剣に取り組むところと楽しむ部分のバランスが優れている選手を求めています」

「今の私の仕事のゴールは2019年W杯に向かってチームを作り上げること。日本のラグビーに貢献できる選手を育てていくこと。加えて次の日本チームのコーチングスタッフにレガシーを残し、日本のコーチの底上げをすること」

 3年前のインタビューですが、ジェイミーはこの通りのことを今やっていると思います。

 エディー・ジョーンズ前ヘッドコーチも日本人の「努力する」ところは評価していたけれども、チームを徹底的に追い込むスタイルを選んだ。一方で、ジェイミーは自主性を重んじる。選手が自分たちで考えること、言ってくることを大事にしています。

 そういうジェイミーによる日本人の可能性を信じる「準備」が上手くいって、素晴らしい結果が出ているのだと思います。ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズと世界的にも有名なヘッドコーチが指揮してきましたが、「日本人の強さを一番知っていて」「日本人を最も伸ばしてくれる」のがジェイミーではないかと思います。

©文藝春秋

(構成=文春オンライン編集部)

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