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「即位の礼」 アイロンがけ、靴磨き……陸上自衛隊の花形「特別儀仗隊」の想像を絶する訓練とは

陸上自衛隊第302保安警務中隊 インタビュー#2

2019/10/23

genre : ニュース, 社会

 国賓の来日時のお出迎えや即位の礼などで活躍する陸上自衛隊第302保安警務中隊の特別儀仗隊。わずか数ミリの動きのズレもなく、言葉通りに一糸乱れぬ所作を披露する裏には、想像を絶する訓練の日々があった。特別儀仗隊はいかにして特別儀仗隊になり得たのか。その“裏側”を飯田2曹に聞くインタビューの第2弾。

(全2回の2回目/#1より続く)

特別儀仗を行う陸上自衛隊第302保安警務中隊。銃剣の高さが見事に揃っている

◆◆◆

「170~180cm、60~75kg」特別儀仗隊に入る条件とは?

――飯田2曹はなぜ第302保安警務中隊、特別儀仗隊に入ったのでしょうか。

「平成8年に入隊して横須賀で新隊員教育を受けていたときに、駐屯地のイベントで儀仗隊が来ていまして、そこで儀仗を見てスゴい、カッコいい、と。鳥肌が立つくらい感動したんです。それで自分も入りたいと思い、面接を受けて合格して入隊したのが始まりですね。それ以来ずっと第302保安警務中隊一筋でやっています」

特別儀仗服を着た飯田博臣2等陸曹

――国賓や陛下の前での儀仗をする部隊ですから、誰でも入れるわけではないんですよね。例えば身体的な規定とかも……。

「そうですね、動きはもちろん見た目の姿もピタリと揃わないといけないので、身長170cm~180cm、体重60kg~75kg以下という規定があります。身体が小さすぎても大きすぎてもダメなんです。見た目を揃えるということでは中隊には3個小隊がありまして、1小隊から3小隊まであるのですがそれは格の違いということではなくて、身長順になっています。1小隊が身長が高く、中間くらいが2小隊、3小隊がやや低め。大きい人と小さい人が並んでいるとどうしてもバランスが悪くなってしまいますからね」

スウェーデン国防軍のスベルケル・ヨーランソン司令官の来日に伴い、第302保安警務中隊が行った2500回目となる儀仗 ©時事通信社

「高校生の頃から体型は変わっていないですから」

――そしてその体型をずっとキープしていなければいけないと。

「もちろん。自分も高校生の頃から体型は変わっていないですから。私だけでなく隊員はみな体型の維持は意識していると思いますよ。身体を鍛えて筋肉量が増えて大きくなりすぎるというのもダメですし。あとはヘアスタイルも刈り上げは2分刈りが基本なんです。儀仗の本番前にはみんな散髪に行って揃えますし、ヒゲも朝剃って儀仗の直前に剃る。それくらい、身だしなみには気を配っています」

約23年、特別儀仗に参加してきた飯田博臣2等陸曹

――ヒゲなんて朝に剃ったらそれっきりですよ……普通の人は。

「まあ朝の9時に儀仗があるならそれでいいんですけどね。でも昼過ぎだったら少し伸びてるじゃないですか。だから直前に剃るようにしないとだめなんです。銃剣や制服の管理も当然、これは儀仗隊と言うよりは自衛隊員にとっての基本中の基本でしょう」