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特集観る将棋、読む将棋

2019/10/31

次の日の腰の痛さが……(笑)

――棋士の棋戦は持ち時間が長いものが多いです。例えば、竜王戦は持ち時間が5時間ですね。いままでの対局とは、何か違いますか。

西山 次の日の腰の痛さが……(笑)。体のメンテナンスをしないといけません。夕食休憩はとまどいますね。夜戦を迎えるというか、体力を問われる時間帯になっていると感じます。集中という概念が抜ける瞬間があって、途中からふわふわしちゃって、ぼーっとして読めなくなるんですよ。順位戦(持ち時間は6時間)でコンスタントに勝たれている先生のすごさを知りました。でも、まだ真の長時間をやった感じではないので(※10月27日時点で、いちばん遅い終局が18時57分)、これからです。

 

里見さんは「豊島将之先生に近い」

――2019年度から、里見香奈現女流六冠とのタイトル戦が続いています。まず、今年の春に開幕した第12期マイナビ女子オープンでは、里見香奈女流四冠(当時)が挑戦してきました。複数のタイトルを保持している里見女流四冠はほとんど挑戦を受ける側なので、挑戦者に迎える人はかなり少ない。西山さん自身はどういう気持ちでシリーズを戦ったのでしょうか。

西山 トーナメントを勝ち上がってくる過程から注目してみていたんですけど、礒谷(真帆現女流初段)アマ戦とか、「え、もしかしたら負けるのかな」と思ったところから、逆転勝ちされて。内容が充実されているので、苦戦するんだろうなと思っていました。3勝1敗で防衛できたのは、運の要素が強すぎたかなと感じています。

――かなり準備したんですか。

西山 そうですね。里見さんはソフトを使われているでしょうし、作戦を立てるタイプなので、転んじゃうと厳しい。全体的にスキのない方なので、ちゃんと準備しないとただ負けちゃうなと思いました。

――里見さんは同じ振り飛車党です。戦い方も参考になるんでしょうか。

西山 私が持つ戦型をほとんど指されている方なので、里見さんが棋士と指している将棋は、私が三段リーグで指している将棋と近いところもあって、参考になります。

 

――心構えはどうでしょうか。里見さんは勝っても負けても、結果より内容に関心があって、淡々としている印象です。

西山 ええ、豊島(将之名人)先生とかと近いのかなと思いますね。私はちょっと真似できないです。一喜一憂タイプだと思うので。

――話を聞いていて思いましたが、将棋ソフトでの研究が当たり前になり、研究会を減らす棋士もいる一方で、西山さんは将棋でメンタル面を重視するようになったんですね。

西山 メンタルは勝負の大事な要素だと思います。一部でも、メンタルゲームだといったりしますし。プロで上のほうにいくと違うと思うんですけど、三段はいろんな要素が出てくるので、強靭なメンタルの人が強いなと思います。

(全4回/#4へ続く)

写真=佐藤亘/文藝春秋

にしやま・ともか/1995年6月27日生まれ、大阪府大阪狭山市出身。伊藤博文七段門下。2010年、6級で奨励会入会。2015年、三段。
女流棋戦のタイトル戦登場は5回。2018年、第11期マイナビ女子オープンで初タイトル「女王」を獲得。2019年、第12期マイナビ女子オープンで里見香奈女流四冠の挑戦を退け、防衛を果たした。
得意戦法は振り飛車で、豪快なさばきが持ち味。

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