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26年ぶり箱根駅伝 “主力10人離脱”の筑波大を変えた「週5のミーティング」

医学群ランナーも……一般入試組とスポーツ推薦組はいかに融合したか

2019/11/01

「忙しい授業」と「チームのために」の両立

 弘山監督もこう振り返る。

「過去のチームでも力はまぁまぁあったんですよ。でも、10人の足並みがそろわないとか、養った力を発揮する能力が足りないとか、そういう部分で結果につながらなかったんですよね。やっぱり筑波大は授業も忙しくて、どうしても『自分が頑張れば良い』というところへいってしまうんです。それを『チームのために』というか、みんなで切磋琢磨して、自分だけじゃなくチームを引き上げるんだというマインドになかなかなれなくて。頭でわかっていても、ちゃんとした行動ができないというのが、今までだったような気がします」

 それが今年、全日本の予選会に出られなかったことや、チームメイトの離脱を経て、一気にチームの「覚悟」が決まった。

「今年は夏の全日本の予選会に出られなくて『お前たちが変わらないんだったら、誰が指導しても同じだから』ということを言っていたんですけど、その気持ちに応えて、選手たちが本気で何回もミーティングで話し合ってくれた。それでいまのチームができあがったんです。『僕たちは本気で変わってやっていくので、引き続き指導をお願いします』と言われた。私も、もちろん本気ではやってきたんですけど『変わらず本気でやっていくから』と伝えて。そこからはもう非常に順調にきましたね」(弘山監督)

医学群ランナーの川瀬宙夢(5年) ©AFLO

 学生スポーツにおいて、多くの4年生が抜けるというのは非常に大きな痛手だ。それでも、それを上回って余りある各選手の“覚悟”こそが、筑波大の躍進の理由だったように感じた。

出る以上はシード権を考える

 本大会へ向けては、弘山監督は冷静な見方を語っていた。

「もちろん出る以上はシード権というのを考えながらですね。ただ、それが本当に現実的に到達できるのかどうか。そこを見極めながらやっていきたいと思います」

 一方で、箱根路最大の課題である山には自信も覗かせる。

「(前回5区を走った)相馬は下りも得意なんですよ。上りは今日トップだった金丸(逸樹、4年)が相当強いし、他にも上りなら強いという子も結構いるので、そういう子も視野に入れながらですね。3年生が充実していますし、1年生もいまは面白い子がたくさんいるので、来年以降も活躍を続けられる手応えはありますね」

「断固たる決意」とともに飛躍した筑波大。新年の本大会ではチームとしてどんな走りを見せてくれるだろうか。

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