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「あとを継いでほしいとは思ってない」船橋郊外の中華料理屋で77歳店主が作り続ける“絶品餃子と味噌ラーメン”

B中華を探す旅――船橋法典「江戸一」

2019/11/05

genre : ライフ, グルメ

note

「味はずいぶん変えたね。お客さんは、塩ラーメンが好きだっていう人が多い。私は味噌ラーメンのほうが好きだけどね。しょうゆ、塩はどっちかというとさらっとしてるけど、味噌はお腹にたまるのよ。使ってる味噌も違うし」

店主オススメの味噌ラーメンを注文!

 ということで味噌ラーメンを。

 濃厚なスープを飲むと、昭和の記憶が甦ってきた気がした。麺の香ばしさや、ホロッと崩れるチャーシューについても同じことが言えるのだが、小学生のころ、親に連れて行かれたラーメン屋で食べた札幌味噌ラーメンの味なのだ。

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味噌ラーメンを注文
濃厚なスープを飲んだら昭和の記憶が甦ってきた気がした

「食べものなんて、好みは十人十色だから。うちのラーメンが好きな人はうちへ来ればいいし、チェーン店のラーメンが好きだったらそっちに行けばいいし」

 感動したことを伝えたら、そんな返事が返ってきた。やはり飲食店の味には、つくる人の誠意が表れるように思う。

「目の前でやって、目の前で答えが出てくる」

「まあ、一生懸命やるだけだよね(笑)。でも、どんな商売でもそうだけど、仕事をやって相手に喜ばれるのが一番楽しみだね。だから、たくさん残された場合には、ああ、口に合わなかったんだなあと思うし。それを悔やんでもしょうがないけど。でも、7割、8割方が、『ごちそうさま。おいしかった』と言って帰ってくれるじゃない。それが一番の喜びだよね。機械いじってると、どんな精密な部品を作っても、それがどこで回ってて、誰が使って、誰が喜んでるかはわからない。けど、この商売の一番いいのは、目の前でやって、目の前で答えが出てくること。それが最高にうれしいことだよね」

撮影=印南敦史

INFORMATION

江戸一
千葉県船橋市上山町2-246
営業時間 11:30~14:00、17:00~21:00
定休日 月曜日

餃子 400円
味噌ラーメン 600円
ビール 500円

「あとを継いでほしいとは思ってない」船橋郊外の中華料理屋で77歳店主が作り続ける“絶品餃子と味噌ラーメン”

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